2015年4月18日土曜日

中波帯の中の異国

平日の夜遅くはFMラジオを聴いている、LoveFMの「月下虫音(げっかちゅうね)」という番組がお気に入り、滑舌の悪い女性DJが生き物の話題をふんだんに取り入れての異色の番組、選曲も好み似合っている。

今夜も・・・と思いきや今日は金曜日ではないか、月下虫音は月曜〜木曜の午後10時〜11時半なのだ(生放送)、日曜は短縮バージョン(録音)。

なので今日は放送が無い、金曜の別番組は好みではないのでAM放送に切り替えてみる。

受信周波数のダイヤルを回してみれば、AM放送特有のノイズが音色を変えながらスピーカーから流れてくる、それを耳で確認しながら下から上へ周波数を探ってみた。

そこへフッと人の声が入ってくる、入力はかなり強く明瞭なハングル、朝鮮半島から漏れてきたものだろう、・・・と、ラジオを持ったまま向きを変えてみると別の声が入って来る。

ダイヤルには触っていないのでハングルの放送と同じかごく近い周波数での放送、最も強く入ってくる角度を探して耳を澄ませば・・・、どこだろう・・・、薄いビートノイズに埋もれながら弱々しくスラブ語のようなどこかの言葉が聞こえる。

ここまで届くのは中波ならではの現象なのだけれど、はたしていつも届いているものなのか、それとも今日だけなのだろうか。

もしやと思い太陽の黒点情報を見るも、太陽風がやや強い他は電離層の乱れもなさそう。

こんな単3乾電池2本で動作するラジオを経てどこか遠い異国の欠片が電波に乗って畳の上で暮らす私の元へ届こうなどと、理屈の成り立つ現象とは分かっていても、狭いようでやはり広い地球上の誰かの声を耳にし、束の間思いを巡らしてみたりで。

一体どこの言葉なのだろう、意味も分からずしばらくじっと聴いていました。


リンク:「LoveFM 『月下虫音』」