2012年4月24日火曜日

強靭なアイビー

先の大震災以来世の中省エネ推進運動継続中である、電気になるべく頼らず真夏の猛暑を少しでも涼しくする方法として日当たりの良い壁側や窓側にアサガオやキュウリを植えるという話が町内会で出たそうだ(私は仕事で参加できなかった)、ゴーヤを植えるというのもあるらしい。

他には観賞用のカボチャ(そんなものがあるのか)やヘチマとか。

知人宅での過去の失敗例の話も出て、その時は園芸店で買ってきた「アイビー」というよく知られた観葉植物を鉢から抜いて壁際に植えたそうで、ものの2週間ほどで伸びに伸びて屋根まで届き、あとは放っておくだけで面積がどんどん拡大、冬の寒さもなんのその、春にはまた勢いよく伸びて壁一面が緑の葉に覆われたという。

なんという旺盛な繁殖力、勝てるのは葛ぐらいしかないのではなかろうか(!)。

最初のうちはそれを喜んでいたのですが、ますます茂って鬱陶しくなり、いざ取り去ろうとしたら・・・大変なことに壁の一部が剥がれてしまったらしい。

レンガ造りの洋館だったらレンガの色合いにはアイビーの緑がよく映えて似合うだろうし壁の強度についても問題ないだろうけれど、木造だったりモルタル造りの日本の住宅には全く向きそうもない。

それに、日差しは遮られて涼しくはなったけれど、蔓を伝って虫やトカゲが部屋に入って来るので怖かったという。

その失敗例のお宅は千代町にあるそうで、いまはすっかり取り除いてはいるものの、よーく見れば・・・蔓の跡が筋状に残っていてたぶんもう消えないとか。

植えるならアサガオ程度が無難だろう、もっと覆って欲しいのであれば琉球アサガオなんかも良い、秋にだって花を咲かせるしよく茂る、収穫の楽しみが欲しければキュウリかゴーヤか?

剥がす時に壁が痛まないような造りであればいろいろと楽しめるとは思う。

そうそう、夏の省エネについて町内会の出席者で「昼間のクーラーを止めたいならイオンに行って寝る」と冗談を言った人がいたらしい。

いい案だ、可笑しくて笑った。

2012年4月2日月曜日

賢い鳥

今朝は実家から直接仕事場へ向かった、もうこのくらいの時期ともなれば日の出の時刻も早い、それより更に10分近く早くに家を出たとしても既に明るい東の空、薄明の下では歩道のブロック敷きの継ぎ目も容易く数えられるほどである。

那珂川を渡って天神に入り、須崎公園を横切る途中でいよいよ夜が明けた、そこでカラスが1羽ベンチの下から何かを引っ張り出しているのを目撃。

ごみだろうか、そうだ、あれはごみ、2つか3つおにぎりを入れて惣菜売り場に並んでいる華奢なプラスチックの容器だった。

私が少し近寄ったところで警戒したのかカラスは一旦動きを止めてこちらを凝視、でもすぐにまたごみを突き始めた。

容器の中には少しだけ何かが残っていて、それを食べようとしているのだが輪ゴムがかけてあるのでうまく取り出せずにいる様子、嘴で輪ゴムを引っ張れば容器もほんの一瞬遅れてゴムに引かれて自分のほうへ付いて来る、何度やってもその繰り返しで輪ゴムは外れない。

カラスは一旦諦めてあたりを窺っている、今度はすぐ傍の植え込みの段差のあたりへ容器を引っ張り、ぴょんと反対側に回って段差を壁にみたてて容器をピタリと押し付けた。

・・・と、カラスは段差の上にひょいと乗り、そこから輪ゴムを引っ張り始めたのだった、輪ゴムを引っ張っても本体のプラスチック容器は段差にせき止められて動かない、輪ゴムだけが自分のほうへと移動するのだ、結局1回目の挑戦で輪ゴムは容易く外れてしまい、容器は自然と貝のように開いたのである。

どこからかその様子を見ていた別のカラスが中身を横盗りしに舞い降りて来たので元のカラスは慌てて戦利品を銜えて飛んで行った。

実に賢い鳥だと思う、うちの近所の猫が囮役のカラスに気を取られているうちに餌を持って行かれてしまったり、上空から小石を落とされていじめられるのも仕方ないのかもという気がしてきた。

今朝のその一部始終を目の当たりにし、人間としてあの鳥に負けぬように頭も使わねば・・・と思った次第である。