2014年6月11日水曜日

白い吐息

早朝、仕事へ行く途中、那珂川を渡る橋の上では微風ながら川面に沿って博多湾から風がひたひたと入っていた、今朝の気温はとうとう20度を割らぬまま、梅雨時の低い雲の下で湿度が高いせいで歩く度に両肩のあたりで服が纏わり付く。

まさか寒いなどということはなく、動いていれば蒸し暑さすら感じるというのに己の吐息が街灯を逆行にした時に白く現れるのを確認、湿度が飽和しているのだ。

太平洋を渡って吹き寄せる南風が弱い時に起きる梅雨時の現象で、こういった梅雨を凌いだ夏は何故だか夜行性の虫が少ないのを経験則で承知している、夜の明るい窓辺に集まる数も若干減るはず。

虫嫌いな人にとっては嬉しい話だろう。

そういえばあと10日経てば夏至を迎え、この北半球では太陽が北回帰線に達する、・・・もうそんな季節だとは、早いなあと思う。

仕事場に着いて氷を入れた水を飲む、コップを置いてものの数分でびっしょりと結露していた、水がぬるくなるのも早い。

肌着代わりのTシャツでさえ湿気で肌に纏わりつくようで気持ちが悪かった。

昼になれば気温も上がって蒸し暑さが増すだろう、こういう日はさっぱりした食べ物が好まれるのが分かっている、これも経験則。

小鉢用に「あちゃら漬け」を用意した、昆布のだし汁に酢や砂糖と塩を足して煮立たせ、冷ました中に準備した野菜を入れておくだけの即席漬けのようなもの。

なんという簡単さ、一応博多の郷土料理ではある、名前の由来はポルトガル語らしい、そういえば博多の祭り「どんたく」はオランダ語だという、なぜ遠い国からの言葉が若干形を変えつつも定着したのだろう、どんな縁があったのか不思議である。

今日の野菜は湯通ししたレンコンに人参と大根、そして塩もみしたキュウリ、香り付けのショウガ、これだけ。

プチトマトやナスでも美味しい、オクラだってそう、今まで漬けて失敗だなと思ったものはいも類ぐらいか、里いもやじゃがいも、これはまずかった。

じっとりした季節には酸っぱいものが美味しい、気分もさっぱりするのだ。