雨に備えて持参した傘は結局使うことなく、今宵の飲み会は午後10時前には散会となった。
場所は住吉から美野島を抜けたあたり。
参加者のひとりが「美野島なのも町名だけど全然海じゃないからどこも?」・・・、文法がおかしいのは酔ったせいだろう、それはさておき、そう、とにかく美野島は海からはやや距離があるのだが「島」が付く。
・・・とはいえ、海に近くはなくとも「島」や「汐」などを町名に含む場所は全国にはたくさんあるのではなかろうか。
酔った人に長く細かい説明は理解されない可能性が高いので手短に「昔はすぐそこまで海だったから」と答えるに留めた。
美野島は昔「箕島」だった、今の住吉神社の天龍池(ひょうたん池)から那珂川側に鳥居があり、そこから先は海で那大津(博多港)としてちゃんと船が入ってきていたという。
そこから見える位置に箕島はあったらしい、それはそれは遥か数百年も昔のこと。
なのでもちろん今は当時の面影など微塵もないはず。
現在においても残ったのは箕島という地名、これも40年ほど前に「美野島」へ変わった。
ただ、ある程度の年代の人になるとどうだろう、今でもうっかり「箕島」と書いてしまいそうになる人がいたりするのかもしれない。
時代の流れで町名が変わったり消えてしまうことはよくある、今はひとつの町名に「丁」で細分化されているのが普通になった、「○○町○丁目」という感じで。
管理はしやすくなっただろうけれど、意味があって付けられた古い町名は消えて味わいも無くなった、狭いほんの一区画に独立した町名など何かと不都合があるのかもしれないが。
そういえばうちの実家の近所も「下対馬小路(しもつましょうじ)」、「中対馬小路」、「上対馬小路」とわかれていたものを「下対馬小路」を「対馬小路」として残し、他は「古門戸(こもんど)町」と「須崎町」になっている。
昭和40年頃のことらしいがなぜ変更されたのだろう? そのあたりはよくわからない。