昨夜から降り始めた雨は今朝になっても降り止まない、天気が悪いので出掛けるのが億劫だったが所用で午前中から東区の香椎(かしい)まで車で行った。
用事そのものはほんの30分ほどで終わり、暫くの後にまた1時間を費やすだけ、いつもは車で通り過ぎるだけのその街を今日は少しだけ散歩、3年間通った高校がその香椎地区だったこともあり細かい路地を入った隅々まで覚えているので、今はどうなっているだろうと懐かしさで歩いてみれば・・・。
これが驚きの変わりよう。
駅そのものが改築されたのだから周辺もそうなのは分かってはいたのだが、生活臭漂う迷路のような民家の集まりや「○○荘」といった感じのアパートが立ち並ぶ一角が整備されて何処が何だったのか全くわからない。
一番懐かしい場所=各高校の生徒の溜まり場になっていたタコの入っていないタコ焼き屋(イカゲソが入っている)は・・・残念、木造だったその店も痕跡すら残っておらず今はマンションになっていた。
西鉄沿線には更地もあったりで一帯はますます再開発が進んでいるようで。
人の流れが香椎浜や千早に移りつつあるので香椎駅前に活気が無くなるのは無理もないことなのかもしれない、昔は路上で野菜等を売りに来るおばちゃんやそれを目当てにやって来る客でうるさいくらいだったのに。
新しくなったプラスチックのようなJR香椎駅と、そこから映画「点と線」で事件の発端となる遺体で発見される男と女が歩いて浜辺へ向かった通り、さらに赤信号を右折すれば重要なトリックで登場する西鉄香椎駅、全部まとめて昔とはまるで違う景色。
両香椎駅は新しくなったが不恰好になってしまった、高校当時の瓦葺きの駅舎の古い佇まいが懐かしい。
特に用がなければその駅周辺を歩いてみる次の機会は無いかもしれないが、もし来た時は何がどう変わっているだろうか。
新しく変化し静かになって行く街の寂しさが少し複雑ではある。
小学生の夏休みに友人と香椎浜での海水浴に行く途中、この香椎駅(当時は国鉄)の改札をくぐったところで何故か鼻血を出してしまい、とても大柄に見えた黒ぶちメガネの駅長さんに連れられて奥の部屋で休ませてもらったことがある。
不安そうにしている友人と、鼻を押さえたままの僕に「鼻血が止まったら飲みなさい」と冷たい麦茶を出してくれた、懐かしい。
古い駅舎の画像は「香椎駅 国鉄」で検索すると幾つか見つかる、ご興味があればどうぞ。