2015年5月9日土曜日

器用な巣作り


日付が変わった深夜帯から降り始めた雨は意外としつこかった、小一時間もすれば上がるだろうと思っていたら、降り止むことなくそのまましっかり朝まで降った。

そのお陰で泥団子を捏ねやすくなったせい・・・ということではないだろうけど、昨年よりやや遅れて漆黒のグラマー「スズバチ」のメスが実家にやってきた、今年の4月18日のブログでも少し触れたのだが今年は5月の今日なのである。

毎年恒例のことで、玄関の天井付近にある通風口から入ってきて泥で固めた巣を作るのだ、ギザギザとした昨年の古い巣の跡を足場として利用しているもよう、ここ数年と比べてとても大きな巣を作っている、今は出たり入ったりで建て増しに忙しい。

巣と言ってもそこで寝泊まりするわけではなく、麻痺させた獲物を仕込んで卵を産みつけるという産卵床作りなのだ、あとは番をしたり世話をしたりすることはない、順調に進めば卵は孵化し、親バチが仕込んでいた獲物を食べて育っていずれ成虫となって巣立つのである。

・・・が、何ごともうまくゆくとは限らない、自然界での普遍的な出来事そのままにうちのスズバチの巣にもオオセイボウというメタリックな瑠璃色のきれいなハチの仲間が寄生しようと近くで様子を窺っていることがある、スズバチも大変だなと思うがそれも自然の仕組みなので私は手を出さないが。

毎年晩秋の頃になると固い泥の巣を棒で突いて落としている、コンクリ地の床に落ちると「コン!」と音を立てるほどに固い、昨年は「まあそのうちに」と放っておいたら年が明けて今シーズンになっての撤去となった。

実家にやって来る人の中には気付く人もいて「あれは何?」と何度か訊かれたことがある。

「スズバチの巣だ」と答えるとスズメバチだと聞き違える人もいた、スズメバチほど知られていないのであろう。

「怖くないの?」とも訊かれるが、今までに一度も襲われたり威嚇されたりということがないのだ、知らぬ顔で巣を作っているだけ。

これだけ毎年、しかも年のうちに2度は巣作りにやってくることもあるというのに、私はまだ巣立ちの瞬間というのを見たことがない、ある日突然穴が開いていたりで「ああ、巣立ったのだな」と思う次第、オオセイボウに寄生されると小さな穴が開けてオオセイボウが巣立って行く、もう少し大きな穴だと順調にスズバチが育って巣立ったのだと解釈するようにしている。

今日の巣作りを短い動画で撮ってみた、よく見てみると壁の縁に少し隙間がある、私の実家は傾いているのか?(汗)

・・・と、予期せぬ発見をしてみたりの午後だった。