2015年5月11日月曜日

死語と韋駄天

一昨日あたりからニュースや天気予報で注意喚起されていた台風6号(ノウル)が日本の南を東進するということで今日は呼びかけも「注意」から「警戒」レベルの扱いになっていた。

進路を西から北、そして東へと変える様は晩夏か秋のそれのよう、仕事を終えてスマホで予想進路を確認してみれば速度が速い、明日の夜には時速70kmを超える予想になっている。

「わあ、秋の韋駄天台風みたいだ」と言うと仕事場の裏口に来ていた食材卸業者の若い営業さんが「”いだてん”っていう台風があるんですか?」と訊いてきた、もちろん台風の種類にそういうものはない。

単に進む速度が速いので「韋駄天」を付けているだけなのだ。

言った後でたぶんそうなのだろうと思ったらやはりそうだった、「韋駄天」は死語のようである、元々は足の速い捷疾鬼(しょうしつき=夜叉)が仏舎利(仏の遺骨)を持ち去ってしまったのを追いかけて捕らえた更に足の速い神様のことである、ううむ、この説明そのものが死語な感じを際立たせているような・・・。

全く意識していない状態でうっかり使ってしまう死語は多い、同年代では特にどうということなく通じて終わりのことも多いが、一回り下くらいから若い人には通じぬものも多い、「半ドン」や「衣紋掛け」、「ガリ勉」、「花金」、「教育ママ」、「ピカイチ」、「アベック」(これは割と通じる)・・・ああ、キリがない。

ただ、流行っていた当時から「ヤング」や「ナウい」などは使わなかったけれど、それと、カメラのことを「写真機」などとは。

そういう私も働き始めて間もないような若い頃は年長者が飲み会で「メートルが上がる」などと言って盛り上がっているのを傍目に「オジサンだなあ」と笑っていた頃もあったのだ、今やすっかりこの私がその年長者になってしまった、そう思うと昔が懐かしかったり今が可笑しかったり・・・。


閑話休題。


そうだ、韋駄天、とにかく足の速い台風は天気が急変するので怖いのだ、窓から穏やかな外を見て「ああ、なーんだ、まだ大丈夫」などとのんびりしていると突然の風雨に慌てる事態となることもある。

何号だったか忘れたが台風接近時の日曜日に粕屋郡のトリアス久山内のコストコへ買い物に出掛けた日のこと、入店する前はそよ風にポツポツの雨程度だったものが、ゆったり買い物と店内でピザとソフトクリームでのんびりしているうちに横殴りの雨になっていたことがある。

客が雨でびしょ濡れになって駆け込んでくるのを見て気付いたのだった。

コストコはレジ袋などくれないので買った品を詰め込んだダンボールの空き箱を抱えて呆然とするばかり、風がごうごうと鳴って雨が横から降ってくる、駐車場の我が車までのなんと遠かったことか、なんだか台風の裾を踏んで振り返らせてしまったような気がして怖かったのを覚えている。

NHKが夜通し放送している台風情報が好きだという変わった人が身近にいる、飲み物と食べ物を用意して静止画に音楽だけのことも多いあの画面を眺めるのが好きなのだと言う、緊迫感を味わっているのだろうか(汗)。

私にそんな余裕はない、暴風圏内に入れば死語だって吹き飛びそうなほど怖いのだ。

油断なさらず、どうぞご用心を。>皆様