2015年5月15日金曜日

シオゴマ

調理の仕事をしているので衛生面には気を遣う、手指の洗浄は当たり前だがハラリと落ちる髪の毛も怖い、電動バリカンで毎週自宅刈りをしている短い髪なのだが抜け落ちる頻度は長さに関係ないので用心している。

なので厨房に入れば帽子を被る、昔は調理師用の和帽子だったが、今は髪を被える範囲が広いのと洗濯が手軽なのでバンダナタイプである。

厨房ばかりに居て滅多にお客さんの前には出ないせいもあってたまに出て行くと不思議そうな顔で見られるけれど、帽子が無いと尚更のこと誰だろうと思われているようだ。

仕事が終わって表に出ると、贔屓にしてくれるお客さんと
出会ったので挨拶をしたら私が誰なのか分からなかったようだ、店名と名を名乗るとやっと笑顔で「素敵なゴマシオですね」と言ってくれた。

そう、私は白髪が多い、だがゴマシオではない、もはやシオゴマなのだ。

昔から年齢の割に白髪が多くて30代までは「若白髪が多いね」と言われていたのだが、それも40代に入ると「若」が消えて世間の認識は普通の白髪となった。

同世代の友人には髪の薄い人がいる、いわゆるハゲているのだ、その人に言わせればたとえ白くてもみっしり生えているからいいじゃないかということらしいが、私はハゲが不格好だと思ったことなどないので白髪との比較で審美性うんぬんは意味がない。

そういえば、髪の自宅刈りを始める前に通っていた理容店では「お客さん白髪が多いからハゲないよ」と言われたことがある、これはよく耳にする通説だが何か根拠があるのだろうか、「ハゲる人は猫っ毛で白髪じゃない」とも付け加えられたけれど。

昨年だったか、姉が洗うだけで白髪が染まるというシャンプー(?)を薦めてくれたことがある、だが使わなかった、仮にきれいに染まったとしてもどんどん伸びてくる上に毎週短く切ってしまうので実用的ではない、そもそも、シオゴマ頭であるのは承知しているが嫌だと思っているわけでもない。

ちなみに、うちの家系のせいだろうか、ハゲた兄を除いて皆髪が多くて白髪ばかりだった、母や姉は染めていたが父は特に何もしなかった、4人兄弟の末っ子の私も父と同じでいよう。

髪に関しては、短くて風通しが良く快適で、調理中に落とさなければそれで良し、なので白いか黒いかについてはこの先ずっとなるように任せていることだろう。

ところで、先に書いた洗うだけで染まるというシャンプー、一体どんな仕組みになっているのだろう、昆布のエキスが入っているらしいのだが染め上がりに影響するものなのだろうか、使っている人の指とかも黒く染まったりしないのかがちょっと心配ではある、要らぬ心配なのだろうけど。

海藻(海草)類を食べると髪に良いと昔から言われているのは知っているが、それは食べた上での話で、しかも、実のところ効果はないらしいのでそれとは別なのだと思う。

昔からある染毛剤との違いもいまひとつよく分からない、なんとも不思議な商品である。

・・・などと、染めたことも、染める予定も無いシオゴマ頭でいろいろ考えてしまった。