2015年5月26日火曜日

元は誰かのペット


仕事場までの行き帰りは久々に徒歩だった、車を使うよりも30分ほど多くかかるが一日の歩数がやっと5桁になる、車や地下鉄に頼って暮らしているとそれほど歩かないものだなと思う。

歩いていると辺りの様子を細かく観察できるのが良い、看板が新しくなったりや、よそのお宅の木に花が咲いていたり、歩道の隅を蟻が歩いていたりなど、気がついたからといって何がどうだというわけでもない程度のことだけれど。

明治通りを通って中洲で博多川を渡る橋の上から川面を見ると亀がプカプカ浮いていた、耳のあたりが赤いのでミシシッピアカミミガメ=ミドリガメであろう、ペットとしてお馴染みだが要注意外来生物とされている。

元は誰かが飼っていて、何らかの理由で飼えなくなって川に放したのが大きく成長したかその末裔ではなかろうか。

見ていると川に浮いている何か(藻?)に噛みついている、餌だと思ったのか。

目測で20cmはあろうかという大きさ、ペットショップで売られている子供の手のひらに乗るようなかわいいサイズではない、あれなら以前にテレビのレポートで見たように蓮の新芽をバリバリと食い荒らしてしまいそうな気が確かにする。

それどころか、カルガモの雛を追い回す様子も見たことがある、成長すると意外と獰猛なのかもしれない。

愛知県かどこかの川にはたくさんいて、魚の頭を餌に罠をしかけると1時間で数匹捕まるのだという、川全体でどれほどいるのだ(!)。

先にも書いたが蓮の新芽を食い荒らすので蓮根農家は困っているらしい。

本来なら日本にいなかった生き物が環境に適応し繁殖をし始めると既存の生き物は打撃を受ける、しかも、その多くは人の手によってもたらされた結果なのだ、こういった騒動や議論の先駆けになったブラックバスやブルーギルも元はと言えばそうではないか、人が持ち込み、そして人が日本の自然の中に放すか管理が甘いせいで逃げ出したものだった。

ウシガエルやジャンボタニシもそう。

それら生き物には罪はない、悪意が有って生きているのではない、生き物として自然の摂理に沿って単に命を繋いでいるだけである。

博多川に浮かぶミシシッピアカミミガメ、そこには1匹しか見えなかったがどこかに仲間はいると思う、もっと数が増えてネットやテレビで見たような事態になったとしたら、ここでも捕獲され殺処分されてしまうのかもしれない。

一旦入り込んでしまうと完全に駆除してしまうのは相当難しいはず、日本には存在しない生き物などの輸入を禁じるか慎重にするべきである、そして、安易に自然界へ放して(捨てて)しまう飼い主の意識も変えてもらわなければいけない。