2018年1月6日土曜日

愛想の無さも魅力のうち

夕方にJR博多駅周辺のスタバで待ち合わせをした、デートではない、仕事帰りにぶらっとするので一緒にどうだと友人が誘ってくれたのだ、しかも懐かしの人も来るよという一言が付いていた。

懐かしの人? 誰だろう、そんな謎かけをされたのでは断るわけにもいかない、私は約束の午後6時に遅れることなくスタバに入った。

友人は既に来ていた、そして隣には懐かしの人がいた、福岡を離れて4年ほどだったか、メールでは度々やりとりはしていたが直に会うのはその4年ぶりなのだ、懐かしの人はFさん、昨年末で単身赴任も終わって福岡に戻ってきたのだという。

それならそうと教えてくれればよかったのにと言うと「まあね」と斜め方向のどこかを見ながら答えた、これからはずっと福岡なのかと訊けば「そうだ」と目線をこちらに向けて言った。

これだ、これこそがFさんなのだ、この愛想の無さは4年ぶりか、メールもぶっきらぼうだが生の口調を耳にすると愛想の無さが際立って懐かしかった。

その後は3人でそのまま15分ほどスタバで話をしたのだがFさんは「ああ」(『はい』という意味)、「知らねぇ」などと一言のオンパレード、まあ、不機嫌だったり悪意があるわけではないので全く気にはならないが、仮に初対面ならば「この人どうしたのだろう」と心配になるだろうなと思う。

スタバの次はJR博多シティからヨドバシをぶらぶら、途中で見たことのない輸入食品やお菓子を買ったり雑貨店に入ったりで楽しかったが後ろには退屈そうなFさんがついてきた、疲れているなら先に帰れと言えば「ついてってやるよ」と言って離れない、面白い人だ。

そんなFさんだが年上・年下を問わずモテるのだ、きりっとした目元の丸い顔と無精髭、実はハンサムさんである、そして面倒臭そうな表情ともっさりとした声、固太りな男臭い感じが好きなゲイにはすこぶる受けが良い。

難点は相手構わぬ「うぜぇ」、「きめぇ」などの暴言だろうか、まあ、そんな第三者とのやりとりも見ているぶんには面白いが。

仮にFさんがニコニコさんでおっとり口調の優しい感じの人だったらと想像してみると気持ち悪いし可笑しくて噴き出してしまいそうになる、この人の愛想の無さは魅力のうちなのだ。

そんな一時も終わっての別れ際にFさんは「じゃ来週」と言った、来週? 来週が何だと訊くと「お前らまたうろうろするだろ」と言う、私や友人がよほど暇を持て余していると思っているらしく3人でまた待ち合わせをしようというのだ。

まあ、来週は無理だがたまにはFさんのような人と一緒なのも楽しいものだ、なんとも面白い人である。