2018年1月20日土曜日

まさかの世間知らず

甥っ子から衝撃的な話を聞いた、関係者でも現場にいたわけでもないので私にとっては呆れはするが笑える話ではある、いや、世間や常識、ひいては日本後をちゃんと理解していないとそんなことになってしまうのかという驚きの話だった。

甥っ子の職場は今日が新年会だったという、年末は忙しくて職場での忘年会はなくて、その代わりに新年会は幹部らが頑張って少し豪華な飲み会というのが通例らしい、金曜の夜でなく土曜の夜なのは金曜の夜は営業さんが仕事をしているからで、皆が揃って参加できるのは土曜の夜しかないとか。

午後6時から始まった新年会の冒頭で幹事を務める営業部の部長さんが「今日は無礼講ですので肩の力を抜いて・・・」と挨拶をしたらしい、問題はその「無礼講」という言葉だった。

30分ほど経ってから酔いが回り始めた昨年入社した新人さんがあちこちでお酌をしていたのだが、専務に「どんどん飲んでよ、つるっぱげ」と躊躇することなく言ってしまったらしい、場の雰囲気は一変し、年齢で30歳差以上ある部長から表に連れて行かれて叱られたそうだ、戻って来た時は酔も吹き飛んでいたふうで新年会は尻すぼみで終わったという。

あとから「なんで上司にあんなことを言うのだ」と甥っ子も含めた先輩たちから責められて、「だって、無礼講だって言ったし・・・」とポツリ。

無礼講は無礼な振る舞いをしても構わないという意味ではないのだ、日頃の上下の関係と垣根を意識せず隣り合う親しい者同士として接し場を楽しもうという意味なのだ、なのでこの日の「無礼講ですので」という挨拶は皆の緊張を解くための気遣いである、そして礼儀を弁えた上で日頃は酒の席を共になどできぬ目上の人たちと一緒に新年会を楽しむという場なのだが、無礼講という言葉の意味を正しく理解していない新人さんは「無礼をしてもぜ〜んぜんオッケーな日」だとばかりに「つるっぱげ」と口走ったという次第。

ちなみに、専務さんは本当に髪が薄いのかと甥っ子に訊けばきれいなザビエル型だという、「きれいな」か、ううむ。

それにしても無礼講の言葉の意味を知らぬ成人がいたとは驚きである、しかもまさかのこの展開、こういった見事な自爆展開など私にはトムとジェリーぐらいしか思いつかないのだが。