2017年7月29日土曜日

ご飯を「つぐ」

今日は食事会だった、いつものように焼肉やお好み焼きといったピンポイントで何かをメインにしたものではない、おかずが数点とご飯といういたって普通の晩メシだ。

ただし、博多でぐらいしか食わぬ「あぶってかも」と呼ぶスズメダイの丸焼きは頑張ってたくさん焼いた、これはリクエストによるもので、食事会のお客2人は神奈川県民なのだ、しかも私の友人は片方だけで、もう1人は付き合い始めて5年になるというその彼氏。

その彼氏さんがネットで調べていた博多の料理を食べてみたいからとあぶってかもを出してくれそうな店をピックアップしていたのだが店で食えば1尾で500円ほど取られてしまう、私に言わせれば味は良いが雑魚扱いで店頭でも安くしか売られていない魚を丸焼きにしただけで500円というのは高すぎる、私が店で仕入れる時はせいぜい高くても1尾あたり50円ほどで、現に今日焼いたのも40円台なのだ、食事会で出したあぶってかもは1人に4尾ずつ、私はいつでも食えるので今日はお客専用だ。

メシの用意ができたので彼氏さんに「そこに茶碗のありますもん、ご飯ついでくれんですか」と私にしては優しく丁寧に言った、友人だけなら「そこい茶碗のあろうが、メシばついどきやい」で終わるだろう。

・・・「ついで」?

彼氏さんに「ご飯をつぐ」が伝わらない、そうか、博多では「ご飯をつぐ」と言うがよそでは「よそう」や「もる」と言うのだな、うっかりしていた、なので言い直すとちゃんと伝わった。

うっかり言ってしまう標準語ではない言葉としては「なおす」がある、「服をなおす」という言い方をする、標準語では「しまう」なのだ、だがこの程度だとニュアンスでなんとか伝わるレベルだ。

以前にも書いた「すためる」(2015年6月20日のブログ)程度になるともう無理で、紐やコード、ロープなどの長さが足りていて機能しているかどうかを問う際に用いる「たう」などはもっと無理だろう、そもそもこれは使う場面が限定されていてこちらでは若い人でも使わぬ死語のようなものではあるが。

「来る」と「行く」を用法で置き換えてしまうのも他所からの人を混乱させるだろう、約束の場所へ「3時には行きますから」を「3時には来るけん」という具合だ、慣れぬ人にとっては「誰が?」という疑問に繋がる。

それはともかく食事会は予定通り前後を含めて2時間ほどで終わった、あぶってかもは自宅向きな料理だなと思う、身も少なく皮がやや硬いので箸で食うのが面倒なそれは指で摘むと食べやすい、だが脂たっぷりで指が汚れる、なのですぐに洗えるように自宅で食ったほうが楽なのだ、雑魚だが旨い8尾はきれいに食べてもらえた。

友人らは明日の昼前の便で福岡を離れるらしい、私は仕事なので見送りには行けぬが、年末にまた来る予定があるという、そうか、福岡にしろどこにしろ、九州を気に入ってもらえたのは嬉しい。

年末か、また自宅で食事会もいいだろう、冬なので「あら鍋」か、まあ、忙しい時期なのでどうなるかはわからないが。