初対面で必ずと言っていいほど訊かれることがある、「お子さんは?」という質問だ、子供がいるのかという質問ではなく、子供は学生なのか、社会人なのか、社会人なら何をしているのかというものだ。
確かに、ゲイでなければ家庭を持って大きな子供の1人や2人はいるであろう年代だ、初対面なら自身を明かし相手を知る会話の中でそういう話題になるのは不思議なことではない。
今日、私の部屋のある階の別の部屋に私より少し年上の女性が引っ越してきた、夕方に挨拶に来てくれたのだが、その時に「お子さんは?」と訊かれたので「子供はいませんよ」と答えると「まあ!」と意外そうに言った。
その女性は1人で引っ越してきたので旦那や子供はどうなっているのかは分からないが、特に知る必要もないので一切訊かずにいると少しの間を置いて女性の方から旦那とはとうに別れているのと、子供は独立して県外にいることを教えてくれた。
女性にとってはそういう場合は何かいろいろと訊かれるのが当たり前だったのだろうか、そんな感じがする、まあ、県外にいるという子供が頑張っているのは良いことだ。
女性は今まで南区に住んでいたのだが、都心に近くてより静かな場所を求めて私の住むマンションに引っ越してきたという、ここが静かな場所なのかどうかは疑わしいが、筥崎宮の参道がすぐそこなので散歩が好きなら良い場所だと思う。
今まで住んでいた南区の某所にある菓子屋の焼き菓子を引っ越しの挨拶で各世帯に渡しているという、濃密なバターの香りと控えめな甘さでとても美味しいらしい、折角いただいたのだからお返しをと玄関に待たせて冷蔵庫に入れていたスイカを丸ごとレジ袋に入れて手渡した、「こんなに、丸ごと・・・」と戸惑っていたが引っ越し直後でロクな飲み物も買い揃えてはいないだろう、冷蔵庫はちゃんと設置したというので切って入れておけば水代わりにいつでも食える。
子供か、私にいるとすればその女性のお子さんと同じく社会人だろう。
まあ、私には姉と賢い姪っ子と面倒臭い甥っ子、そして長く続く友人たちがいる、それで充分なのだ。