Twitterのフォロワーさんが1枚の画像を投稿していた、魚だ、波打ち際で弱っているか死んでいる魚だが何と言う魚だろうという問いだった、既に何件かのコメントがついておりいずれも正解の「クサフグ」だった。
そう、それはクサフグだ、スナフグとも呼ばれているフグ。
コメントのうち1件は「毒があるけど身は大丈夫だから食うと旨いよ」というもので、それに対する投稿者の反応は「ええっ? 毒があるのに身は食べれるの?」という戸惑いに満ちたものだった、なので私はやりとりに水を差すのは分かっていたが「食べてはだめ」と割り込んでコメントをした。
ちなみに「身」とは筋肉部のことである。
確かに身は食用にもなるし美味ではあっても部位によって有毒なのが分かっているのなら素人が手を出すべきものではない、安全な部位だけを食えば問題ないだろうという考えは分かるのだが、万が一の出来事は想定外の時に起こるからこそおおごとなのだ。
これからの季節、新月や満月の夜に波打ち際で一斉に産卵をする大群がやって来る、その光景は時々ニュースにもなるので見たことがあるという人は少なからずいると思う、有毒な筋肉以外の部位を避けたとしても大量に獲って調理しようなどと思ってはいけない。
例は少ないものの自分で獲ったフグを調理し、それを食って中毒を起こしたという事故のニュースはたまに流れてくるではないか、危ない危ない。
そんな自然毒という点でいえば毒キノコによる事故のほうがもっと多いし怖い、有毒なものは日本全国どこにでも生えている、かなり前にも書いたが天然毒の作用はマイルドではなく強烈だ(2015年6月26日のブログ)、いや、激烈と言ったほうがより的確なのかもしれない。
毒キノコが先に書いたフグよりも怖いのはフグ毒中毒が一過性で、分解と排出さえ済めば中毒も治まる、なので中毒の間をなんとか凌げば命を落とさずに済むのだが、毒キノコは取り返しのつかぬ肝細胞の壊死などで死に至ることも珍しくない。
旨いフグは鮮魚店で、旨いキノコは八百屋で、食材はプロの目を通し、販売者の責任に担保されたお店で買うのが最も安全なのである。