2017年5月17日水曜日
戦う電気とガス
九州電力からDMが届いていた、ガス販売開始に併せた新サービスの紹介である、その名も「きゅうでんガス」、すぐに契約も可能なように返信用のハガキまで準備されていた、かなり力を入れている。
それもそのはず、九州最大手の都市ガス販売会社である西部ガス(さいぶガス)が電気販売を始めたのだ、電気で奪われる客をガスで取り返そうということなのか、お互いがお互いの持ち場を侵食し始めたのだ、これはもう戦いだろう。
届いていたDMには年間どれくらい安くなるかという予想が書かれてあった、これは私の場合のもので、我が家に於ける実際の電気料金と西部ガスの一般的なガス料金との組み合わせで算出したシミュレーションで、予想とはいえ1円単位まで算出されたかなり具体的なものだった。
面白いのは「※西部ガスが先般公表した、新『ガス+電気』料金プランと比べても年間○○○○円『お得!』になります。」という一文、ほほう、1ヶ月あたりにすると大したことはないが、年間だと結構な額ではないか。
利用者にとって価値のある競争なら遠慮なくやって欲しいところ。
とはいえ両社にとってダメージが大きいのはどちらだろうと考えてみる、九州電力は西部ガスに少しばかり客を奪われてもそれほど痛手にはならないだろうが、西部ガスは少しでも堪えるのではないか、そういう気がする、元々の利用者の数が九州電力のほうが圧倒的に多いのだ、大雑把に見て九州電力が契約者数800万口ほどで売上高約1兆7000億、西部ガスが契約者数約110万戸(こちらは「口」ではなく「戸」)の売上高約1900億なのだ、客を失う数が僅かでも西部ガスのほうに大きく響くはず、九州電力にすれば「あらら、減っちゃった」というものでも西部ガスにすれば「うわぁ!減ってしまった!」という感じか。
電気とガスか、・・・どちらも生活には欠かせぬインフラで、昔はポツポツとお互いの活躍の場が重なる場面もあったにせよ一応の棲み分けができていたのだけれど、私が子供の頃に登場したガス給湯器に対抗した九州電力の温水器が今に至る戦いの狼煙だったのではと昔を振り返るとそう思う。
「煙は出ーない火も出ないー、ガースも出ないし汚れないー、コックを回せばお湯が出るー、ワーンタッチの温水器♪」、九州電力の管轄内に住む一定の年齢以上の人なら記憶のどこかに残っているかもしれないCMソング。
馴染みやすくダイレクトな歌詞だったなと40年ほどは昔かもしれぬ当時のCMを思い出してそう思う。