部屋の中ではまだ着るけれど、外出時にインナーで着る以外の半袖のもの全て収納ボックスに収めた、また半年後に復活するのだが。
少し肌寒いかなと思う頃までしぶとく半袖で通すのだが、今年も10月のこの頃で衣替えとなった。
逆に冬用のダウンやコートを圧縮袋から解放して風に通した、ああ、もうこんな季節なのかと思う、気の早い人は既に冬の装いで街を歩いていたりする、それはちょっと早すぎないか? それではじっとしているだけで暑いだろう、・・・と、思うような服装の人もいる。
私の冬用のコートの中にはPコートが1着あるのだが、30年ほど前に買ったものである、社会に出て初ボーナスで買ったもので当時の価格で3万円ほどしたのだ、今はもうなくなったが天神のショッパーズ専門店街の1階にある紳士服店で見つけて、いい品だなと思いつつも値段の高さに消沈しているところへ「高いけど一生物ですよ」と囁かれて買ったマクレガーのPコートだ。
店員の言うことは嘘ではなかった、管理さえしっかりしているのなら虫食いもなしにこうやって今に至る毎冬着ていられるのだ、まあ、若干体型は変わったけれど。
全国どころか世界のあちこちに店舗を持つ有名アパレルメーカーの安くて簡単な服も良いけれど、高いしメンテナンスも必要だがそんな面倒な服もまた良いものである、手持ちの金がちょっと貯まったところで一生モノの何かを探してみてはどうだろう、流行に左右されないベーシックで堅牢な品というのは長く使って古びてくるからこそ価値が出てくることもある。
今はそういった価値に気付く人も少なくなっているのかもしれないが。
そもそも私は物持ちが良い、今でも使っていて最も古いであろう物は中学生の時に買った布製のペンケースで38年目、次が高校入学時に学校から支給された名前入りのカシオ製の関数電卓で35年目、そしてPコートで32年目、基本的に壊れて修理(修復)が不可能となった時点で買い換えるので壊れにくいものは結果的に長く使ってしまうことになる。
全世界の人が私のような考えになってしまうと消費が落ち込むどころかピタ止まりで経済など成り立たないだろうと思う、恐ろしいことだ(汗)。
木枯らしはまだ吹きそうもないのでPコートの出番は当分なさそう、この秋以降の袖通しはいつになるやら。