2017年12月8日金曜日

雇入れ時の健康診断

数年のブランクを経てパートではあるがまた働き始めようとしている友人がいる、ケガの治療で仕事どころではなかったのだ、治療を終えて1年が経ち体力を戻そうと日々ウォーキングなどで体を整えていた、今ではなんとか体調も回復し無理のない範囲で社会復帰を目指している。

数日前に面接に行ったというメッセージが届いた、結果待ちでドキドキすると言っていた、そうだろう、数年ぶりの仕事ならなおさらだ。

そして今日の午前中に採用の連絡があったらしいのだが、「健康診断を受けてきてください」と言われたらしい、いわゆる雇入れ時の健康診断だ、今はアルバイトやパートだろうが正社員と同じく予め健康診断を受けて結果を提出する必要がある。

友人はその内容で採用が取り消されるのではないかと心配している、血圧が高めで降圧剤を飲んでいるし、肝機能もあまり良いとは言えない、なにより過去に病気の発見には至らなかったが潜血尿が出たという。

だが、雇入れ時の健康診断は採用の可否を問う材料にしてはならないとなっている、なってはいるがそういったことに使う情報だと思っている雇い主もいるのだ、いや、本来の目的は職場の適正配置と入社後の健康管理に役立てるのが目的だと知ってはいても体調に怪しいところがあるのなら採用したくないと思う雇い主はいると思う。

しかも、その雇入れ時の健康診断の費用をその会社が出してくれるとは限らない、一応は雇い主側が負担することになってはいるが、その決まり通りにはなかなかいかないようだ。

友人の場合だと40歳を超えているので検査項目も多く、自己負担では1万円弱かかるらしい、もし一時立て替えではなく完全な自己負担だとすれば仕事を求めている人にすればきつい額であろう。

昔はそうでもなかったが今は雇入れ時の健康診断についてはかなりうるさい、労働時間などの条件にもよるのだろうが義務なので必ず受けなくてはならなくなっている、もちろん働く側の健康状態を把握しておくことは大事だけれど、本来の目的とは違う活用をされそうな点は考えものだ。

しかも、会社に通知した診断結果が誰にどう扱われるのかがはっきりとしない、以前聞いた話だと定期健康診断を受けた某社の社員は2週間ほど経って昼休みに社員食堂でメシを食っていると「あれ、血圧高いのにサバの煮付けは大丈夫?」と別の部署の部長から突然言われたことがあるという。

つまり、その部長さんは社員の健康診断で血圧が高めだという会社に通知された結果を見ていたということになる、サバの煮付けを食べていた社員はどうしてこの人が自分の診断結果を閲覧するのだろうと思ったらしい。

雇入れ時の健康診断にしろ定期健康診断にしろ、法の決まりで実施するのは良いことだが、その用途を本来の目的から逸脱することなく、そしてデリケートな内容だけに診断結果の管理と閲覧の権利はきっちりと決めて守って欲しいところではある。

働かないと生活は成り立たず大変だが、働き始めるのもいろいろと面倒だなと思う。