2017年12月30日土曜日

番茶も出花

営業そのものは昨日で終わったが、今日はパートさんらも皆揃っての大掃除、午前中のみの作業で仕事納めとなる晦日だった。

皆で一斉にとりかかると掃除も早い、予定は2時間だったがなんということはない、1時間で終えてしまった、まあ、なかなか落とせぬ頑固な汚れがつかぬよう日頃から清掃を欠かさなかったお陰もあるのだろうけれど。

ひとしきり作業も終わり、残りは風を通して水気の乾かしてしまうだけとなった時点でパートさんを含む他の人たちには帰ってもらった、「また来年」と笑いながら手を振って帰る人の顔は明るい、やっと仕事を終えたという達成感に満ちているのだ、働く楽しみのひとつであり、働く者にしか分からぬ楽しみなのだ。

空調を送風にし窓を開けて拭き掃除をした床の隅々まで乾くのを待つ間にお茶を淹れた、仕事場の皆が休憩中に飲む安い番茶だ、だが、番茶でも淹れたてはなかなかのものである、「鬼も十八、番茶も出花」という諺があるが、まさにその通りに美味しいお茶である。

通用口の外に折りたたみイスを置き、腰掛けたその位置から見える狭い範囲の通りやビルの上を見上げていると一昨日のタクシー運転手(2017年12月28日のブログ)が今日も歩いて仕事場へ向かうのが見えた、さっと通りに駆け寄ってお茶でも飲んでいかないかと声を掛けるとあっさり応じてくた、Uターンでこちらへ戻り、折りたたみイスを厨房からもうひとつ持ち出して並べて2人して並びしばらく話をした、「ほんのり渋くて美味しいね、なんていうお茶?」と私に訊いたのでそのへんのスーパーで売っている安い番茶だと答えると「番茶なんだ」と意外そうに湯呑を覗いていた。

そう、淹れたては香りもあって美味しいのだ、すぐに味は落ちてしまうけれど。

そこで話をしたのはせいぜい10分ほどか、薬の副作用のこと、お孫さんの学校のこと、仕事の同僚こと、その他色々、正月休みは元日だけでその他は全て乗務らしい。

そして仕事に遅れるからとタクシー運転手はいつものように軽く手を挙げてタクシー会社のある方へと歩いて行った、その後ろ姿を見ていると年齢のせいもあるのだろうが病気で痩せてしまったせいで随分と小さく見えた。

私の正月休みは3日までだが、2日に一旦仕事場の様子を見に来ようと思っている、仕事場周辺のゴミ拾いだ、営業は4日からとなり、新しい年の仕事始めとなる。

この連休をどう使おうか、ゴロ寝も楽しいがそれに飽きればどこかに出かけてみよう、行動範囲は近場に限るので行き先はどこがいいだろう、晴れの予想の元日や仕事場の様子見の後の時間を過ごす適当な場所を頭の中で探している最中である。