子供の頃からそうだったし、それが普通になっていた年越し蕎麦を夜に食べるという私の慣例は圧倒的多数ではない、午前中の休憩時間にパートさんらと話をしていて正月のおせちが話題になったのだが、大晦日は翌日が豪華なおせちなので手軽にサッと済ませる程度の年越し蕎麦で済ませるという私と1人のパートさんに対して別のパートさんが「昼間じゃなくて?」と訊いてきたのだった。
3人のパートさんと話をしていて、私とそのうちの1人が夜派で、残り2人のパートさんは昼派だったのだ、では、昼派の2人は夜はどうするのかと訊けば1人がいつもりよりは簡単は晩メシにし、もう1人は年が明けるのを待って何か食べるのだそうだ。
そこで、昼派の1人に昔からそうなのかと私が訊くと旦那側の慣例に従っているうちに昼派になったらしく、結婚する前は私と同じように夜派で、家族揃って紅白を見ながら食べるというのが暮れの締めくくりだったと懐かしそうに言った。
私の姉は夜派だ、私と同じ家族の内側なので夜に食うのは自然であろう、家族揃ってずっと夜だったのだから、その慣例が染み付いているはずだ。
今年最後の御用聞きでやって来た副食材卸業の営業さんである「たまちゃん」(2017年6月27日のブログ)に訊くと昼メシの代わりにするのが毎年のことで、夜は酒とちょっとした肴でテレビを見るらしく、普段のようにメシを食うというのはあまりしないらしい、ほほう、そういうものなのか。
他所はどうだろうという興味が湧いてきたのでネットでも調べてみると昼に食うという人が意外と多いのだ、てっきり夜ばかりだろうと思っていたのでこの結果は新鮮である。
ドタバタと忙しかった暮れの、押しに押し詰まった大晦日に食うものくらい何時だろうと構わないのだが、そんな年越し蕎麦を通してその人の生活サイクルや家族の営みなどがチラリと見えてくるのが面白いのだ。
具材については天ぷらが多いのも意外である、我が家では油気のあるものは胃もたれしそうなのでかまぼこ、しいたけ、鶏の胸肉、三つ葉などが定番だったが、他所は海老天やかき揚げといったものが多いそうな。
どこだったか鰊(にしん)を具にするところもあるらしいが、いったいどういう味付けにするのだろう、その地方色はどこか雑煮に通じるものがある。
その一方、年越し蕎麦は食わないという人もいる、まあ、必須のものではないので大晦日であってもカレーだろうがステーキだろうが好きなものを選べばよし。
そういえば年越し蕎麦の予約は29日までという店が近所にある、「蕎麦屋」ではなく「店」と書いたのは定食屋だからである、それでいてハンバーガーなども作っているというバラエティに富んだ店なのだ。
ちなみにそこの年越し蕎麦は800円で、おにぎり(1個)セットになると860円だという、配達は午後2時から10時までとなっていた、昼派と夜派のニーズに合わせたということなのだろう。