2017年12月10日日曜日

増える鳶

「トビ」、「トンビ」、猛禽類のあの鳥を皆はどう呼ぶのだろう、私や地元の人たちは「トンビ」と呼ぶが、一般的には「トビ」のようだ、羽ばたくというよりは上昇気流に乗ってグライダーのように滑空、そして旋回しながらピーヒョロロロロと鳴くあの鳥だ。

那珂川や御笠川、博多川といった川の近くに鳶を見かける機会が多くなった、探しているわけではないが例の鳴き声に目線を上へ向けてみると優雅に飛んでいるのだ、1羽ではない、数羽で群れている。

カラスとは仲が悪いようで黒い群れに追い立てられはしているが、時にクルリと踵を返して反撃に出たりするとカラスは叫びながら逃げ惑い散って行く、見ていておもしろい。

そんな鳶が人に接近するのを目撃した、場所は宇美川の川辺だ、雨も降り止んだ午後にその近くを通っていると右手に白い包を持った中学生くらいの男の子へ上空からストンと急降下してきたのだ、あわや接触という距離だったと思う、男の子は驚いた様子で上空へ遠ざかる鳶を見上げていた。

あれは男の子が手に持っていた白い包を奪おうとしたのではないだろうか、もしそうなら食い物だと判断したのだと思う、現に鳶は人から弁当の中身を奪ったりするのだ、市内だと能古島の鳶による被害はよく知られているが、大濠公園や舞鶴公園、花畑園芸公園でも花見の季節になると弁当を狙う鳶に襲われることがあり、時には貼り紙などで注意喚起がされるという。

飛ぶ姿はゆったりと優雅で鳴き声には笛のように響く美しさがあるのだが、間近で見るとカラス同様に大きな鳥である、目つきと爪やくちばしは鋭く怖い、そして賢いのだ。

生息環境が人にとっての都市部と重なるようになり私の住む近所では身近でお馴染みの鳥となりつつある、だが、野生の生き物であることを忘れてはならない、自家繁殖した穏やかな家禽とはわけが違う、鳶が上空を舞う時は青空の下でのんびりランチなどは避けたほうがいい、食べ物を奪われる際にケガをすることがあるのだ・・・、まあ、青空に限らず曇天でも飛んではいるけれど。

色といい、飛ぶ姿といい、その鳴き声といい、個人的にはカラスよりはずっと好きな鳥なのだが。