人づてに東区にある辛子明太子の工場の話をパートさんから聞いた、オンライン通販や工場での生産直売も行っているらし、パートさんはPCの操作に長けた息子さんとネットでお歳暮で辛子明太子を探している最中にその工場の存在を知ったという、メジャーなメーカーではない、私も知らなかったくらいだ。
私は自分用で買う時はきれいな「一本物」ではなく形の崩れた「切子(きれこ)」と呼ばれるものを買っている、以前書いた通り私にとっての一本物は自家用ではなく贈答品なのだ(2015年4月20日のブログ)。
仕事からの帰宅後に自宅からそう離れていないので今日初めて知ったその工場へ行ってみた、自家用のお手頃品があれば試してみようと思い行ってみたのだが・・・何も買わずに帰ってきた、実は直売工場のすぐ近くまで行ってはみたものの立ち寄りすらせずに引き返してきたのだ。
理由は工場内のみで着るはずの衛生白衣のまま屋外を歩いて別の工場へ行く複数の従業員を見てしまったからである。
衛生白衣の目的は屋外の汚れが付着しているであろう衣類を工場内へ持ち込むことがないように工場内限定で着るためにあるのだ、それなのに屋外も工場内も区別なくその姿のまま出入りしているのであれば衛生白衣の目的は崩れてしまう、今日立ち寄るつもりだった工場は2ヶ所に分かれていて、たまたま見かけた従業員らは衛生白衣のまま片方の工場から人や車が通る道を歩いて移動しもう片方の工場へ入って行った。
つまり、その工場で作られている辛子明太子は自宅から工場へやって来た普段着のままの人たちによって作られているのと大差ないのだ。
この点、同じ東区内の某メーカーは大変厳しくて道を挟んだすぐ隣の工場へ行くにも一旦着替えてから移動するという徹底ぶりである、「そんなに厳格にしなくても」と思う人はいるかもしれないが、辛子明太子は生の状態で販売され口にするものである、徹底した加熱処理で滅菌された品ではない、ごく些細な異物が食中毒の原因となる可能性が高い食品なのだ。
仮に異物など一切混入していなくても、食品を製造するメーカーの姿勢としていい加減だなと思うのだ、衛生白衣を着たまま屋外を歩く従業員とそれを許しているメーカーの辛子明太子など他にどんな手抜きをしているのか不安で食べたいとは思わない。
オンラインの通販サイトは見栄えのするきれいな出来栄えだったのだが。
結局、その工場への道のりはいつもより少しだけ遠い散歩で終わった。
消費者意識の高まりと共に食品製造の現場に向けられる目が厳しさを増しているこの時代、適当なことをしていると何か起きた時には再起不能まで突っ込まれてそこそこの有名メーカーでも潰れてしまいかねない。
今日のその工場も、産地偽装や消費期限切れの食品転売など食に関する事件・事故のニュースで世間が度々大騒ぎしているのを知らぬわけはないだろうとは思うのだが。