2017年8月14日月曜日

乾くまでもう少し


やはりどこか涼しさがチラチラと現われていると感じた今朝の福岡、明らかに違うのはアスファルトやビルの壁からの輻射熱が一頃のように強烈ではないことだ、2週間ほど前なら風があっても何故だか汗がポタポタと滴るほどだったのだが。

そこに変化をもたらしたのは先日の台風5号だと思っている、あの台風を境に天気図がガラリと変わったのだ。

そんな今朝は楠の幹に羽が乾くのをじっと待っているセミを見つけた、すぐ横には数年間過ごした自分の抜け殻があるではないか、これはアブラゼミだ、薄暗い中をスマホでパチリ、だが、手ブレが激しくてまともな画像は撮れなかった。

完全に夜が明ける頃には羽も乾いてどこかへ飛んで行くだろう、乾くまでもう少し、そして短い成虫としての期間を生きる。

通りのあちこちに透き通った羽のクマゼミが落ちている、まだ鳴いているものもいるけれど大合唱ほどでもない、時期が過ぎたということだ、更に数を減らせば入れ替わりでツクツクホウシが登場する。

セミは本当に不思議な昆虫である、寿命が1週間ほどだと思われているが実際にはそれよりも長く、気温が低めの夏は長くなる傾向にあり、1ヶ月ほども生きる個体だっている、種類によって鳴き方が決まっていて、それは誰に教わるわけでもないのに脈々と受け継がれて行く、また、種類ごとに好みの木があったりもする、面白いなと思う。

私が小学生の頃、一緒に虫取りをした友人が捕らえたアブラゼミを自分の腕にとまらせて遊んでいた時、セミが木の幹だとでも思ったのか注射針のような口吻を腕に刺そうとして友人が泣いたことがある、相当痛かったらしい、ジワリと刺そうとしているのを見ていたくせに、なぜ払い除けなかったのかと訊けばまさか突き刺そうとするなどとは思いもしなかったと言った、いや、セミは樹液を吸わなくてはならないので幹にいるのだと勘違いすれば口吻を刺そうとするものである。

私もクマゼミを手の甲に乗せている時に口吻の先でちょんちょんと探られたので刺される前に摘み上げたことがある、セミに悪気はないのだ。

今朝見たアブラゼミは猫や鳥に襲われることなくどこかで生きているだろうか、羽化した当日の夜が雷混じりの激しい雨なので面食らっているのではないか、これを書いている間も窓辺がパッと明るくなり何拍か遅れて雷鳴が聞こえている。

雨は明日も続き、晴れるのは明後日からだという予報、関東あたりはもう随分と長く雨が続いているらしい、なんだかすっかり秋雨のようではないか。

明日の早朝も雨なので多少は濡れるかもしれない、だが、雷だけは勘弁してほしいところ。