2017年8月11日金曜日

期待外れ

録画しておいたNHKの番組を夕方から観始めた、約4時間の長尺なので早いうちからと思ってのことだったが、1時間を過ぎたところで止めてしまった、番組名は「京都異界中継」、4時間で百物語をこなすという中継番組なのだ、そんなの1話が駆け足になってしまって実現可能なのだろうかと心配していたのだが、別の意味でそんな心配など無用な番組に仕上がっていたのだった。

あれもこれもと演出に凝りすぎて滔々と読み語られるのだろうと期待していた朗読などの陰は極端に薄く、花火大会ではしゃぐ雰囲気そのままのゲストらにすっかり白けてしまった。

ああ、これはダメだ、そんな内容なので2009年の「日本怪談百物語」と翌2010年の「日本怪談百物語 その弐」を超えることなど到底無理だっだ。

いきなり番組冒頭で感じた疑問、「どうだ! 青い照明で照らすと怖いだろう!」という演出の感覚はどこからくるのだろう、そんな極彩色の光で満ちた空間などより、暗い中で揺らめくロウソクの炎で朧に照らされる空間のほうが遥かに怖いと思うのだが。

結構な金をかけて作った番組だったろうに、もったいない、次回同じような企画がで出てきたら的を絞った少人数で静かな番組を作って欲しいところ。

そうだ、金をかけずに視聴者を震え上がらせる良い方法を思いついた、収録はスタジオで、セットは暗い空間とロウソクと語り部が腰掛けるための椅子だけ、その語り部はNHKの渡邊あゆみといったベテランのアナウンサー数人と朝ドラに出演中の白石加代子とのループで淡々と100話を読んで聞かせるのはどうだろう。

ラジオ番組で勝負できそうな面々ではないか、相当怖い番組に仕上がると思う、あまり怖いとクレームが来るだろうけれど。

怪談の語り部として度々名が挙がる著名人としては稲川淳二がいるけれど、擬音語や擬声語、擬態語の多用は語り部の思い描く怖い情景を押し付けることになるのではないかと思うので好きではない、聞き手にとっての最も怖い情景は、その聞き手こそが頭の中で作り上げてくれるという仕組みに頼るのが一番である。

来年はこういった企画は登場するのだろうか、度々繰り返すとネタ切れになってしまうのではという気もするが、さて、どうなることか。