2015年11月8日日曜日

コケ団子の犯人

「またあれか」と間近でよく見てみるとコケの一部で、あたかもそこだけ毟り取ったかのようで、パッと見でコケの団子でも転がっているかのようだった。

公園の樹の根元周りに生えているコケの部分でよく見かけるそれを「コケ団子」と呼んでいた、ひとつふたつの場所もあれば、日に日に数を増やしてコケ団子だらけとなってしまう場所もある、当然、その場所のコケは壊滅状態となる。

見かけるようになったのはここ数年のうちではなかっただろうか、最初は「あれはなんだろう」と思う程度だったのだが、最近は「うわ、これは酷い」としか思えぬ状態の場所もあるのだ。

夕方から強い雨が降るということで買い物は午前中の早いうちに自転車で近所で済ませることにした、その途中に横切る公園でコケ団子だらけの一角を見つけた、しかも、今日はそれができる瞬間を目撃した。

犯人はカラスだった、数羽で樹の下を歩いていて、立ち止まった1羽がコケを突いている、力を入れているように見えたと思ったらベリッと一部分だけを毟り取ってしまった、その後どうするのかと思えばペッと吐き捨てるのだ、どこかへ持って行くわけでなく、何かに利用するふうでも無い、コケの下の虫を探すわけでもなさそうである。

そうなると完全に娯楽なのだろうか、理由はともあれコケ団子の犯人はカラスだ、芝や樹の下のコケの部分などは人の手で植えたわけではないだろう、そこそこの日当たりで湿っている場所で自然に殖えたのではないだろうか、かつては緑のビロードのように見えていたのだが、今やすっかり月面のクレーターのようになっている。

そもそもカラスは何故コケを毟るのだろう、いや、コケに限らずいろんなものを毟ってしまう、ひまわりや桜の花、選挙のポスターだって毟って散り散りにしまう。

毎年必ずと言っていいほどアロエの花をダメにされていた近所の人はカラス対策で釣り糸を張った上で結び目を作って数本垂らしたら警戒されて全く寄ってこなくなったらしい、罠なのではないかと思うカラスの賢さを逆手に取った良い方法だと思う。

自然に生えたコケを毟るのなら問題にならぬかもしれぬが、園芸品や農産物だとそうもいかないだろう、悪戯も度が過ぎればアロエの件と同じく対策される日が来るのかもしれない。