2017年9月24日日曜日

木綿豆腐の固さ

日曜日だというのに熱心な食材卸業者の営業さんが昼と夕方の暇な時間にやって来た、今まで付き合いのなかった業者さんである、九州産の大豆を使ったという豆腐の売り込みだった、勝手口から入ったところの厨房に置いてある折りたたみイスに腰掛けてもらいしばらく話をした。

食材や、副食材か、衛生用品かを問わずうちに来る営業さんほぼ専用の折りたたみイスである(2016年2月24日のブログ)。

今日やって来た業者さんはサンプルとして絹ごしと木綿の両方を5丁ずつ置いて行った、店頭販売はしておらず業務用としてのみらしい、どちらも白いパックに紺色の「絹」と黒い「木綿」というロゴのみのシンプルなものだった。

食べてみると大豆の香り豊かで味はコクがあり美味しいものだった、パートさんらにも食べてもらって感想を聞いたが評判はとても良い、ネックになるのは価格で今使っている木綿よりも3.3倍という点だろう。

驚いたのは木綿豆腐の固さである、ギュッと締まった感じで固いのだ、うちでは絹ごしは使っておらず全て木綿豆腐なのだが、この豆腐を冷奴で出したなら客は「おや?」と気づくだろう。

ふと頭に浮かんだのは沖縄の島豆腐だ。

たとえば店頭で売っている豆腐もメーカーによって木綿豆腐の固さには結構な差があったりする、しっかりとした固さのものから、他メーカーなら絹だろうと思えるほどソフトな木綿だってある、価格だってバラバラだ。

ちなみ大豆の産地は九州内ということだが具体的にはどこのものを使っているのかと訊けば福岡産が6割ほどで残りの4割が佐賀産だそうで、大豆の生産量そのものは僅かに佐賀県のほうが多いらしい、とことん九州産に拘って作った豆腐は市販できるほどの量は確保しにくく、味を認めてくれる業務用でしか勝負しないそうで、価格も輸入大豆のように安くはないのでそれなりに上がってしまうが味はどこにも負けない自信があると言う、かなり強気の営業さんだったが、うん、それでいい、そのくらいの意気込みがあって丁度いいのだ。

試食後に残った豆腐はパートさんらと分けたのだが、木綿の固さが気に入ったらしく絹よりも木綿のほうが人気だった、パートさんのひとりにどうやって食うのだと訊けば半分は炒めものにでも使って残り半分は豆腐の刺し身にしようと思うと言った。

豆腐の刺し身とはなんだと訊くと冷奴よりは薄目に切った豆腐を並べてわさび醤油で食うのだとか、冷奴ではなく刺し身と言えば新しいメニューのようで旦那が喜ぶだろうと笑う、なるほど、固い豆腐なのでできることか、面白いパートさんである。