2017年4月26日水曜日

手洗いは意外と難しい


国立感染症研究所のサイトで新着情報を探っていて見つけたのが腸管出血性大腸菌による腸炎の発生動向速報だった、私は定期的にこのサイトで主に食中毒関連の情報を得ている。

1年を52週に区切ったグラフで見てみると週を追うごとに発生件数は増えている、これから気温が高くなると食品は傷みやすくなるしハエやゴキブリといった衛生害虫の活動で更に発生件数は増えるはず。

一般家庭に於いてもそういった感染症は怖いのだが、飲食業の私にとってはなおさらのこと怖いのである、この腸管出血性大腸菌もそうだが、ノロウィルスやカンピロバクター、サルモネラに腸炎ビブリオ、菌やウィルスの名を上げればキリがないのではと思うほど数多い、万が一客に出した料理が原因で食中毒でも起きようものなら何十年続いた老舗の店であってもたちどころに信用を失う、そうなってからではいくら消毒を徹底しようが客はなかなか戻って来てはくれない。

なので最も有効な手立ては備えとなる、新鮮な食材を適切な温度下に保存するのはもちろんだが、手間と時間がかかって面倒臭いが布巾は塩素系の漂白剤に浸し、食器類はスチームや消毒用エタノールで消毒し、厨房の床は殺菌剤入りの洗剤でゴシゴシ洗い、閉店後はタイマーでオゾン発生器を使うのには効果があると思っている、やれることはやっておかないと後で「ああ、あの時やっておけば・・・」と後悔してももう遅い。

基本は手洗い、「そんなこと誰でも知ってるしやってるよ」と思われるかもしれないが、手洗いとはなかなか難しいもので、ザッと水で流した後に石けんでゴシゴシ、そして水ですすいではい終わり・・・だけではそれほどきれいになってはいないかもしれない。

手洗いで汚れの落ちやすい手のひらの部分は良しとして、汚れの落ちにくい手の甲や指先や関節部のシワの中、そして親指側は意識して念入りに洗わないと満足に汚れを落とせない。

よく、手洗いは30秒間かけてと言われることがあるが、30秒というのは思うよりも長い、人が手を洗っているところを観察してみると、多くの場合石けんで手をゴシゴシしている時間はほんの5秒ほどではないかと私見ながら思っている。

まあ、水だけでザッと流して終わりというのよりはマシではあるが、友人や家族、恋人など大切な誰かに食べてもらう料理を作る時などは念入りに手を洗ってあげようではないか。

梅雨が迫って来た、高温多湿な季節もすぐそこ、増えるであろう食中毒にはご用心を。>皆様