晴れるのか降り出すのかはっきりしない日曜の曇り空、だが、休日を満喫する人たちにそんなことなど問題ではない、街は明るい色の薄着な人たちで賑わっていた。
友人のS氏が天神に来ているらしく仕事が終わればお茶でもどうだとメッセージが入っていた、私がそのメッセージに気付いたのは仕事上がりの午後1時過ぎだったのでお誘いから既に1時間は経っていたが、返信すると夕方まで暇なので何時でもいいよと返ってきた。
こちらも特に急いで帰宅せねばならぬ用があるわけでもないのでゆっくり歩いても余裕で天神に着ける午後2時に待ち合わせをした、数分後に共通の友人であるK氏も呼んでいいかと追加でメッセージが届いたので構わないと返信した。
約束の時間より数分早く待ち合わせの場所に行ってみると2人は既にそこにいた、K氏は靴屋の紙バッグを提げていた、彼氏への誕生日プレゼントだという、スニーカーだが3万円近くするという、高っ!
私が仕事中に履いているスニーカーなど680円だぞ、まあ、汚れて構わぬ仕事場用だからではあるが。
S氏がお気に入りだという昭和風の純喫茶に案内してくれたが満席だったので仕方なくいつものスタバに入った。
腰掛けて間もなくK氏が「あの人いいね」と言った、注文の品を待つメガネを掛けた若い人のことだった、もっと年齢高めの人が好みではないのかと訊けばメガネだから構わないと言う、K氏はメガネが好きなのだ、メガネフェチである。
メガネの有無でイケるイケないが決まるのかとS氏が訊けば、エッチの最中にメガネがカチャカチャとぶつかるのが最高に燃えるとK氏は言う、呆れつつも驚くS氏。
だが、お前にだってそのくらいのフェチはあるだろうと逆に訊かれたS氏はあっさり「ラグパン」だと答えた、ラグパンが何だとK氏が訊けばラグパンを穿くと異常に燃えるので、ついには脱がぬまま脇からポロリと出してエッチをすることが多いと言うとK氏はお前は変態だと驚いていた。
「エッチする時くらいメガネ外せよ」vs「エッチする時くらいラグパンは脱げ」という展開は大いに笑えたがスタバでの会話としてはやや危険だったのでいつか飲み屋で続きをやって欲しいところである。
確かに、フェチとまではいかずとも誰にも好みはある、年齢、肌の色、髪の長さ、体型、体毛、声、身に付ける諸々の品、職業に至るまで様々。
この好みの多様性に引っ掛かったお陰で時には私にもドキッとするような出会いは巡ってくる、ありがたいことである、わはは。