私は以前WILLCOMのPHSを使っていた、その時のWindowsMobileなスマホで使っていたSDカードを見付けた、場所は様々なメモリカードをケースに収めた上でひとまとめにしているプラスチック製の小さな箱の中である。
メモリカードは意外と溜まる、古いものはCFカード、そしてたった1枚ずつであるがMMCカードとxDピクチャーカード、数枚のメモリースティックにたくさんの各種SDカード、どれも新規で買ったものばかりではなく、何かハードを買ったら付属していたというものの方が多い。
さて、WILLCOM用だったSDカード、中の画像をPCに移しておこうとして操作ミスから最も古い日付のものをうっかりディレクトリごと消し去ってしまった、そこに何枚入っていたのかは正確には分からないが凄く惜しい気がしてなんとか復活させた。
惜しがってはいるものの、数年もそこに放置していたくせにと自分でも思う。
復活の呪文は”photorec”、ファイルシステムの復旧を図るツール「Testdisk」の中にあるサブツールである。
ターミナルからコマンド一発で起動、容量1GBのSDカードのスキャンなどあっけないものである、復活した画像ファイルは自ら端末上で削除したものも含めて262画像にもなり、低画質な動画も3動画復活しているではないか、目的のフォルダのものはもちろんのこと、日付が最も古い2007年のものからしっかり蘇っていた。
折角なので画像も動画も開いてみた、すると、当時は「ああ、撮影失敗だ」と思ったに違いない画像と動画ばかりだったが、被写体として登場するのは風景ばかりではなかった、今は疎遠で連絡もない当時親しかった人や、既に他界した母や姉(長女)に友人がチラリという程度だが写っている、動画に至っては一言程度の声まで入っているではないか。
冬の晩メシの動画や、県庁の展望室での動画など、あれもこれも。
目的外の結果がこんなにも有り難いなどとは滅多にあることではない、今では貴重で大切な復活データとなった。
もううっかり消してしまわぬよう2通りのバックアップを完了したところである。
それにしても切なくなる画像や動画の多いこと、たかだか10年も経たぬその時の記録ばかりなのに、いろいろあったなと思う。