「チャー、チャチャチャチャ!」と私にはモズの高鳴きがそう聞こえる、JR博多駅から博多の街に並ぶ寺を辿るように歩いていると高い位置のどこかから聞こえてきた。
続いて「チョロロチョロチョロ」というホウジロの鳴き声、どこにいるのだろう? 見た目でスズメそっくりなので見間違えそうになるが尻尾の長さで判別がつく、ゆっくりと歩きながら上を探していると電線の上にモズの姿を見付けた。
再度モズの高鳴きが響いたが、ふつとホウジロの鳴き声に変わった、モズが物真似をしていたのだ。
モズは物真似をする鳥として有名だが、ネットの動画以外で直に確認するのはたぶんこれが初めてだと思う、そもそも、なぜモズは他の鳥の物真似などするのだろう?
たとえばホウジロの声を真似ておびき寄せて襲って食うのであれば私なりに納得がゆくのだが、実際にはそんなことはしない、ただ単に楽しんでいるだけなのか、いや、鳥にそんな娯楽があるとは思えない。
全く不思議なことである、他にもウグイスの物真似などもするらしい。
しばらく立ち止まって見ていると、モズは小刻みに周りを見回してポトリと糞を落とし、そしてブルブルと顔を左右に振って飛び去った。
なんとなく田舎でしか見られないような鳥だと思っている人もいるようだが、緑が多めの広い公園があるならビル街であってもモズはいる、私が確認した限りだと福岡市内では筥崎宮の裏参道側、舞鶴公園、護国神社、香椎宮で鳴き声を聞いたことがある。
ただ、特有の「モズの速贄(はやにえ)」と呼ばれるカエルやトカゲを枝に刺す行動はまだ見たことはない。
渡り鳥ではないと聞いたことがある、それならば年中見掛けてもよさそうだが何故だか秋や冬ばかり目立っている、夏はどこにいるのやら。
今日はホウジロの物真似を聞いた、いつかウグイスのを聞いてみたい。