2016年11月7日月曜日

元栓を閉め忘れたトラウマ

予定時刻通りに食器洗い機が到着した、私のところへではない、姉のところへである。

1人住まいだから要らないと姉は言ったが、1人住まいであっても便利なものは便利だし、実は毎晩のように晩メシを食いに来ているであろう甥っ子との2人分の食器ならコンパクトサイズのものが冬場の水仕事も少しは減ってちょうど良いと思う。

設置は実に簡単だった、既存の蛇口に分岐水栓を取り付けてそこから食器洗い機のほうへ導水し、食器洗い機からの排水はシンクへ伸ばしたホースを経て捨てるだけなのだ、おっと、もちろん電源コードは繋がなくてはならない。

たったこれだけ。

笑えるのは分岐水栓を取り付けるべく蛇口部分を分解しようとしたところで姉が「わぁー・・・」と言って逃げたからだ、なぜ逃げるのだ、別に爆発などしないぞと言うと水が噴き出すかもしれないので怖いと言う。

いや、元栓くらい忘れず閉めているから出ても滴るくらいだと言うが怖そうにしている、そこで姉は自分でパッキンを取り替えようとして水浸しにしたことを白状した、いつのことなのだと訊けばまだ母が生きていた頃の実家でのことらしい。

元栓の閉め具合が足りない→水が噴き出す→慌ててしっかりと閉めなおす→それでも水浸しという流れだったとか、なぜしっかり閉めないのかと訊けば「ギュッと強く閉めて元に戻せなくなったら困るから」だそうだ、いや、水浸しのほうがもっと困るだろう。

10年くらい前のことを今頃明かすとは、当時言わなかったのは私にうるさく言われそうだったからに違いない、可笑しい。

食器洗い機もあっさり設置完了、姉は「1人住まいだから・・・」と言ってはいたが、試しに皿や茶碗にコップを入れて実際に動かしてみた時は興味津々で見入っていた、普段使いなら操作も簡単である、なにしろ「スタート」を押すだけなのだ。

「思ったより音が小さい」、「水はったこれだけ?」と面白そうだったが、「結構時間かかるのね」とも言った、そう、2人分の食器なら手洗いのほうがずっと早いが、放っておけば乾燥までやってくれる便利さはそのうち実感するのではないだろうか。

特に水道代と冬場のガス代の下がりようと、自然乾燥が遅い雨の日などは違いも大きいのですぐに分かると思う。

取り付けも終わった帰り際、姉は説明書を見ながら上手な食器の置き方や洗剤の投入口を詳しく確認していた。

元栓閉め忘れの怖さはすっかり忘れていたふうである、笑った。