2016年11月16日水曜日

「○○太郎」

帰宅後に郵便局へ行く途中、下校時間らしく近所の小学校からたくさん出てきた子供たちとかち合った、どこにそんなに元気が余っているのかと思うほど右に左に動きまわっている、友人とふざけるもの良いけれど、車や自転車とぶつからぬかと見ていてヒヤヒヤする。

徒歩わずか数分の郵便局から再び戻って来る途中、先ほどの小学校の校門から出てきたばかりの男の子に隣接するお宅のご婦人が「あらら、ほんとに擦り傷太郎だね〜」と男の子の左脚の擦り傷を見て苦笑していた。

男の子はご婦人とよく顔を合わせるのだろう、そして、男の子は度々軽いケガをしているのだと思う、そんな様子をよく目にするのでご婦人は「擦り傷太郎」と言ったのだ。

なるほど、男の子の左脚のふくらはぎから外側には「こちらから、こちらへ向かって、こうやってザーッと擦りました」と説明できるほどはっきりとした擦り傷ができていた、男の子は平気そのものだったが。

「擦り傷太郎」か、「○○太郎」という言い方は昔はよく使われていた、これは本名とは関係ない、同じことばかりしている(繰り返す)男のことをそう呼ぶのだ、愛称のように口にすることもあれば蔑称とする場合もある、今日の男の子に対しては間違いなく前者である。

女の場合だと「○○花子」と言っていたが男のそれよりもずっと少ない。

テレビのドラマなどにも登場することがある、昔は2時間ドラマを観ていた頃もあったせいかドラマ中に登場したのを覚えている、映画だと松本清張原作の「疑惑」、保険金殺人の罪を問われている桃井かおり演ずる鬼塚球磨子の裁判で鹿賀丈史演ずる豊崎勝雄が証言をするのだが、その内容が気に食わない鬼塚豊崎に「懲役太郎」と悪態をつく場面、こちらは蔑称だ。

私も「骨折太郎」と言われたことがある、幾度となく夏休みになると指だ足首だと骨折して海も山も行けずに夏休みを台無しにしてしまったのだ、肩の骨を折った時は完治するまで夏休み+αの期間が必要だった。

大人になってからも浜辺の松の木から落ちて手首を折り、実家の屋根の瓦の隙間から生えていた草が気になって引き抜いてやろうと登ってこれまた転げ落ちて手首を折った。

まあよい、今はちゃんと動くのだから、さすがにこの歳だと骨折は怖いので用心深くなっているけれど。

今日の男の子は擦り傷太郎か、いかにも快活な子供らしいではないか。