相当な年代物である我が家のカセットデッキはビクター製のTD-V505、久しぶりに昔の曲をとカセットテープをセットし再生ボタンを押したのだが再生スピードがなんだかおかしい、なんとなく速いのだ、そのせいで全ての音が高い方へズレている。
いよいよか、・・・と、その前に近々筐体を開けて細かく見てみようと思う、素人の私にも判別できる不具合ならばパーツを取り寄せ交換すればまた使えるようになるかもしれない。
ちなみに、数年前にビクターが「JVCケンウッド」となった後に確認したところによると残念なことにこのカセットデッキの修理はもうできないということである、メーカー側で修理用のパーツを持っていないらしい、もしもの場合の修理についてカスタマーセンターに問い合わせた際の回答である。
過去のカセットテープの数はそれなりにある、もし、まだ聴こうとするなら更にこれより古いウォークマンでも引っ張り出して使うか(動作するのか?)、ディスカウントストアで安い再生専用機でも買うという方法もある。
ただ、問題がひとつ、ほとんどがドルビーNR(ノイズリダクション)のBタイプかCタイプでエンコードしているので再生時は逆にデコードしないとシャリシャリとした音でまともには聴けないのである、ディスカウントストアの廉価なものに搭載されているとはとても思えない。
それどころか、どこかで見たのだがデジタル時代の現在では需要がないのでドルビーNR用のICは製造されていないというではないか、脳裏をチラリと高性能バージョンであるCタイプが登場した時は別売のユニットが数万円で発売されていた記憶がよぎる。
一部のカセットについてはMP3形式でPCに取り込み済みではあるが全てではない、まだ手付かずのもののほうがずっと多い、休日の度に作業しておけばよかった、やれやれである。
中にはカセットデッキが壊れていなくてもまともに聴けないものがある、Aurex(オーレックス=東芝のオーディオブランド)から出ていた「adres(アドレス)」方式によるNRシステムでエンコードしたものだ、聴く時は同じくadresでデコードしないと正しい音には戻らない。
こちらはTD-V505に機能として内臓されているドルビーNRと違って別売の外付けのユニットなのだが、福岡西方沖地震の時に部屋の中がぐちゃぐちゃになった時に破損したもののひとつである、今でも修理すればまた使えるかもしれないので一応は保管している。
それにしてもアナログオーディオは面白い、掛けた手間が音に反映されることが多いからである、カセットならばヘッドやキャプスタンのクリーニングをし、定期的に消磁も行い、録音レベルを設定し、テープのメーカーと録音時間の長さや種類を吟味する。
いろんな要素を自分の好みと判断で組み合わせてライブラリを作ってゆくのだ、デジタルにはない面白さがある、今はすっかり古びてはいるが、その面白味を知る人がいる限り完全に無くなることはないだろうと思っている。
まずは次の休日にでもカセットデッキの状態を調べてみることにする。