2016年2月16日火曜日

子供だって理解する

午前中から鼻の奥がヒリヒリとして鼻水が出るのでインフルエンザかもしれないと思い仕事を終えてすぐさま病院へ、検査の結果は陰性、熱や咳も出ないので急激な気温の変化のせいではないかということで終わった、もちろん薬などは出ない。

検査の結果が出るまでの1時間弱、私は窓に近い明るい場所でスマホを弄っていた、その右斜め前の長椅子には2人の女性と1人の子供が座っていた、距離はそれほど離れていない、せいぜい5mほどか、そのせいで小声に努めているようでもよく聞こえてくるのだ。

「あの人いつもそんな感じでしょ? ね!」・・・もうこの部分だけを耳にしただけで2人の女性が顔見知りの他の人のことを良くない風に言っているのが判るのだ。

そんな2人に挟まれた子供はもちかしたら小学校前の幼児かもしれない、女の子だ、2人の間で眉をひそめて聞いている。

ほら、子供が聞いてるぞ。

よく、幼いから理解できないので大丈夫だとばかりに子供の前で露骨に心情を吐露する大人がいるがそれは違う、さすがに3歳児だと理解しないだろうが今日のように小学校前かどうかという年齢になると事情が違う。

私だって小学校に就学する前に一時期預けられていた保育園で、園児ら皆がアサガオの種を植えるから小さな植木鉢を持って来てくださいと連絡しているのにいつまで経っても持ってこないお宅の保護者を「だらしない」と悪く言う職員のことを覚えているし、近所の個人経営の美容院の奥さん(店主)が経営が苦しいから廃業しようかと実家の縁側で母に愚痴をこぼすのだってちゃんと覚えているのだ、人は嬉しくない時の話は斜め下に視線を落として話をするのだと思ったのもこの時である。

子供だって理解する、全てを理解するわけではないが一部だけでも理解する、だが記憶はしっかりと完了しているので成長し知恵が付いてくると思い出しつつ振り返って全てを理解してゆくのである。

なので、子供だからと侮ってはいけない、特に今日の子供は女の子、同い年の男の子よりもずっと知恵が付いていて賢いのだ。

内緒の話は、子供の耳にも届かぬ場所にしたほうが良い、その時だけの影響だけでなく、後々に引きずる影響という点に於いても。