抜け去ったようで実はしぶとく居座る寒気のせいで上がり始めた気温が午前中に再び氷点下へと下がってしまった、降れば当然雨ではなく雪となる、風はないが湿った雪のせいでジンジンと濡れた手先が冷えて痛い。
お昼になってやっと氷点下を抜けたが相変わらず寒い、雪の降り具合はどうかと通用口から半身乗り出して通りを眺めていたら昼食時なのでほぼ毎日やって来てくれるお客さんらが通りを真っ直ぐこちらへ歩いてくる、今日は4人連れ立ってだ。
いつもと違って寒いので皆が一様にコートを羽織っている、しかも雪が残っている上に所々凍っているかもしれぬ足元を注意しながらなので俯き加減なのだ、そして歩幅はちょこちょこと狭く、足を着いても大丈夫そうな狭い幅を一列になってやって来る、まるでペンギンの行進ではないか。
誰もがテレビの動物番組などで目にしたことはあるだろう、南極だったか大きなペンギンが一列になって白く凍ったところを歩いて行く映像、たまに滑って転ぶものもいたりするあれだ、そんな光景と重なるコート姿の男連中の姿が可笑しくもどこか可愛いのでつい笑った。
今日の見ている中では誰も転びはしなかったが。
夕方のニュースでは福岡県内で転倒などによる怪我人が200名以上出たと言っていた、転んで脚の骨や腰を傷めたりというものはもちろん多いのだろうが、咄嗟の反応で手をついた拍子に手首を傷めてしまう事例も多いはずである、いずれにしろ治るまではかなりの日数がかかるはずだし打ち所が悪いと命にも関わりそうである、転んで「あいたたた」では済まない展開というのは怖い。
明日の朝まではかなり冷えて路面凍結のヶ所も多いらしいが、明後日からは陽気が変わって雨になるという、次に冷えるのは「寒の戻り」であろう、北極当たりに寒気が蓄積され、それが流れ込んでくる頃となる。
もうしばらくは先のようで、とにかくパッと乾いた晴天がしばらく続いて欲しいところである。