朝はもちろんのこと、昼になっても、夕方になってもまだ風が強い、だが福岡はマシなほうで他所では瞬間的に秒速30mの風が吹いたところもある、もう台風そのもの。
私の住まいの1階部分に汚れていない乾いたB5版サイズの紙が落ちていた、拾い上げてみると「お買い上げ明細」として某通販サイトから買った品の商品リストが載っていた、領収証ではなく氏名の記載はあるが住所はなかった。
郵便物でもなく、領収証でもなく、持ち主がどこにいるのかも分からないので不要なダイレクトメールを捨てるごみ箱に捨てた。
駐車場には破れて飛んできたのがすぐに分かる交通安全の幟(のぼり)が落ちていた、日光に晒され色あせたそれは破れた側がギザギザに粗くなっていた、これは駐車場内のごみ箱に捨てた。
どちらも強風に飛ばされてきたのだ、もうひとつ、見覚えのある近所の猫に使う餌入れ、プラスチック製の黄色い器なのだが植え込みを飛び越えてこちらの駐輪場に落ちていた、これはすぐ隣のものだとわかっているのでそのお宅の敷地内のポイと放り投げて終わり。
強風が吹き荒れるといろんなものが飛ばされてくる、台風などではもっと大きなポリバケツなど怪我をしそうなサイズのものも飛んでくる、中には持ち主が探しているだろうなと思えるものもある。
なぜここに落ちているのだといった品々は面白いのだが、中には気味の悪いものもある、これは強風とは関係ないのだが、早朝に仕事に行く途中に立ち寄ったスーパーの駐輪場で明らかに血痕だと思えるものを見つけた、血が落ちているのだ。
何故それが血痕だとわかるのかと訊かれると説明に困るのだが、パッと見で「あ、血だ」とピンと来るのだ、部分的にポタリと真上から落ちた跡だったり、同じ場所に繰り返し落ちたものを左から右へと拭おうとした形跡があったりするのだ、その量はうっかりカッターナイフで手指に切り傷を創ってしまい、傷口を縫うか縫わぬか迷う程度の量である、なので多いとは言えないが少なくもない。
色に鮮やかさはないのでかなり時間が経っているのだろう。
なぜここにこんなものが落ちているのだろう、紙や幟ならば摘んでごみ箱に捨てることも容易いが、血痕は気味が悪い、スーパーの店員には一応知らせた。
歩み進む足元には様々なものが落ちている、とりあえず、強風の後はあっちもこっちもごみだらけなのだ。