2015年12月12日土曜日

固いが旨い

今夜はカレーにした、夕方から晩メシ用の食材を買いに行った先の食料品売り場で親鶏のもも肉を見つけたからである、誰もが知っているお馴染みの柔らかくジューシーな若鶏ではない、卵を産んで固く締まった身の親鶏なのだ。

身の色は暗く、皮は若干黄色みを帯びている親鶏のもも肉、鶏肉なら何でも同じじゃないかとうっかり唐揚げにしようものならガブリと噛み付いたところで歯が押し返されそうなほどに固いのだ、皮にいたっては噛むとゴリゴリと音がしてなかなか噛み切れないほどである。

顎の鍛錬には良さそうであるが。

なので時間をかける煮込みにはぴったり、フランスでは赤ワイン煮にするらしい、私の場合だと簡単なのはカレーだ、玉ねぎなどと一緒に先に炒めて焦げ目が付いたら水を入れて煮るだけである、若鶏と違うのは煮る時間、おおよそ3倍はかけたいところ、それでもまだ固い。

価格がグッと安いわけでもないのにわざわざ固い親鶏の肉を何故使うのかと不思議に思う人もいるだろうが、これが旨みたっぷりで大変美味しいのである、親鶏の魅力はこれに尽きる。

スルメやビーフジャーキーが大好きな歯と顎が丈夫な人なら薄くスライスした親鶏の肉を塩とコショウで手早く炒めてポン酢で食せばファンになってもらえるかもしれない、そのぶん、柔らかい食材と一緒に炒めるというのは歯応えの点でアンバランスなのでおすすめはできない。

鶏肉売り場であまり目にする機会はない、人気がないからである、だが、買わずとも売られているのを見つけたら身や皮の色を若鶏と比べてみるのも面白いかもしれない。

ちなみに、今夜のカレーはルーを入れる前の煮込みにかけた時間は1時間ほど、それでも歯応えしっかり、旨みたっぷり、美味かった。