雨にならぬうちに天神の某デパートへ出掛けた、順を追って店名を言えるほど行き慣れた地階の食料品売り場ではない、しかも私1人ではなく姪っ子と一緒に普段行くこともない婦人服売り場である、「勤続10年達成したら服でも買ってやる」と就職時の約束を果たすためだ。
姪っ子は学校を卒業しても職が見つからず、某陸運業でパートの事務員として働き始め、半年と少しが過ぎた頃に正社員登用となったのであった。
昨晩のうちに「10年経ったから服を買いに行こう」と電話で姪っ子に言ったが、もしかしたら本人は忘れているかもしれないので何のことか説明しなくてはならないかと思っていたが、「ほんとだったの？」と嬉しそうに言う、忘れてはいなかったようだが冗談だとは思っていたらしい。
30分100円という安い駐車場に空きがあったので嬉々としている私に素敵だなと思って欲しかったコートがあると姪っ子も嬉しそうにしていた、店も商品も決まっているのだという、なので迷うこともなく店に直行、入って右側にあると本人が言った通りにそこにあった。
一応他の品と比べてみなさいと言ったので他の数点と着こなしなど比較していたがやはりそれが一番しっくりくるという結論、もう若いだけの服装ではない姪っ子は立派になったものだと思う。
高いけどいいのかと心配そうにしているので好きなのを買えと言った。
レジにて精算、欲しい服とはてっきり3〜4万円で買えるものだろうと思っていたので7万円台だったのには目眩で倒れそうになったがなんとか正気を保って何食わぬフリをしてそのまま買った、手持ちの現金が6万円と少しあったので買い物が終われば軽くメシでも食って姪っ子を自宅に送り、その後で月曜日用の現金をATMで下ろせばなんとか足りるのでいいだろうと構えていたのだった。
なのでコート代の支払いは手数料なしの来月1回払いでカードにした（笑）、男の着る服など安いものだとつくづく思った。
姪っ子と同じ約束を甥っ子にもしている、辞めずにこのまま続ければ彼の勤続10年の達成は4年後にやって来る。
さて、甥っ子はその約束を覚えているだろうか、覚えているのなら何を欲しがるだろう。
