2015年9月25日金曜日

映画:「アタリ:ゲームオーバー」


テレビ放送やレンタルではなくオンライン配信で観た一風変わったドキュメンタリー。



あらすじ:

アタリ(ATARI)というゲーム機メーカーをご存知だろうか、任天堂のファミコンが一世を風靡する前に隆盛を極めたアメリカ企業です。


この映画はそのアタリの誕生から顛末までを関係者とファンのインタビューなどを交えながら追うのと同時進行でアタリについて囁かれるひとつの都市伝説が現実のものなのか否かを検証するというドキュメンタリーである。


なんでもアタリが衰退したのは1本のクソゲーのせいだと言われていたらしい、そのゲームタイトルは「E.T」、スピルバーグ監督によるSF映画をソフト化したものだ、この映画にはその開発者などが当時の心境などを吐露しつつまことしやかに囁かれるひとつの都市伝説についての事実を検証しようとしている。

その都市伝説とは広大なごみ廃棄処分場の一角には売れ残りと返品の山となった例のクソゲー「E.T」のゲームカセットが大量に廃棄されているという噂である、いくつかの手がかりを元におおよその場所を特定し、許可を取り、そして掘り返すのだった。

その進捗状況の合間にアタリ社の歴史や当時発売されたゲーム、そして「E.T」についてのレポートやインタビューが挟まれる、ドキュメンタリーとしては掘り下げは浅いが、アタリとゲームに対するファンの愛はよく伝わってくる。

なんとなく女性には好まれないし理解しがたい内容かもしれないという感じがする、これはゲームオタはもちろんのこと、鉄っちゃんや音キチ、カメラ小僧といった言葉が理解できる男性好みだろうと思う。

ごみ処分場の掘り返し現場で見せる「E.T」開発者の心境が痛いほど分かるのだ、長きに渡ってアタリをダメにしたという汚名を着せられていたはずだ、本人がそれに心を痛めないわけがない、辛かったろうし、アタリファンの愛は彼をそんな十字架から解放してくれたに違いない。

さて、ごみ処分場に廃棄されているという大量のゲームカセット、果たして本当に存在し発見できたのかどうかは映画本編を見て確かめて欲しい、退屈なドキュメンタリーに映る人もいるとは思うが私は充分に楽しめたし、上映時間が1時間ほどなので疲れるということもなかった。

レトロなゲームが好きなかた、アタリというメーカーに覚えがあるかた、このドキュメンタリーはいかがだろうか。