前のシーズン4を観終えて(2015年7月10日のブログ)から約2ヶ月、10話で構成された「ダメージ」のシーズン5を観終えた。
昔はタッグを組んで法廷で共に戦う2人だったが、ファイナルシーズンであるシーズン5では2つの裁判で争う敵同士となってしまった、訴訟そのものよりも相手に勝つことが目的となった感のある2人の行く末と各話に散りばめられていた謎な伏線が最終話まで緊張を保って観られた要因だった、それはとても良かったと思っている。
どんなによくできたドラマもシーズンを重ねるごとに面白味が薄くなるものだけれど、このダメージについてはそんなことはなかった。
残念なのは終盤についてはあともう2話ほど追加して細かく展開して欲しかったということ、監護権訴訟中のパティと息子との関係、そしてもうひとつの訴訟の顛末があっさりし過ぎて物足りなさを感じるのだ。
それと、路上に倒れたエレンの表情は失敗だったと思う、なぜならあれは・・・まあ、とにかくミスなのだ、理由は目だ、細かく書くとネタバレになるので避けるが。
この話のタイトルはオリジナルは「But you don't do that anymore」であるが、吹き替え版では「いつかどこかで」となっている、なんだこのタイトルはと思ったが観終えた後ではなるほどなと思える。
過去のシーズンで何度も登場したパティとエレンの2人きりの桟橋のシーン、エレンは後悔と自己嫌悪を味わったはず、一方のパティも時は経って偶然エレンと出会った街角で見た幻影は痛いほどの寂しさを味わったのではなかろうか。
たぶん弁護士を辞めて最高裁判事に就いたであろうパティは出世はしたが幸せではないのだ、ラストの30秒弱続く空虚な表情がそれを物語っている、ドラマはそこで終わった。
「いつかどこかで」のようにこの2人の話にまた会えるといいなと思う反面、いや、やはりこれで終わりなのがちょうど良いのだ、だから私からもエレンに言っておこうと思う、”But you don't do that anymore."
脚本も演技もよくできた優秀なドラマだった、楽しませてもらってどうもありがとう。