仕事帰りにいつもとは少し違う道を選んで天神へ寄った、その時に何度か利用したことのあるパン屋の前を通ったのだが、店舗横の路地で1人の男性がタバコを吸っていた、その店のパン職人さんで休憩中だったのだろう、制服と帽子を脱いで通用口付近に置いたスタンドタイプの灰皿の縁でトントンと灰を落としていた。
店内でガラス越しに作業中の姿を見たことはあったが、帽子を脱いで寛ぐ姿というのは初めてだった、制服と帽子で見た目40代前半だった印象は、どちらも無い姿だと40代後半に見えた。
ダークグレーのポロシャツにカーキのチノパン姿で髪はかなり薄かった、スキンヘッドのようなものではなく周囲に髪はあるものの頭頂部がハゲているものだ。
そして私は格好良さを感じた、髪が薄いことに格好良さなどと思われるかもしれないが私は嫌いではない、むしろ魅力を感じる場合が多いのだ、たぶん好きなのだろうと思うほどに。
男が好きな男である私としては男としての特徴が強く出ている人に惹かれる、それも中年男だ、世の女性とはあらゆる点で異なる特徴を持つ年代で、しかも髪が薄いとくれば男そのものではないか、他に髭や体毛といった男ならではの特徴はあるものの、私は頭部のそれにも惹かれるのだ。
髪が薄くとも格好良いとされる俳優は多くいる、外国の俳優に多いのだが隠すことなく堂々としているし似合ってもいる、ファンの多いショーン・コネリーは格好良さでよく登場する人だが、私としてはジーン・ハックマン(2015年4月11日のブログ)の素敵さは格別だと思う。
もちろん、そのジーン・ハックマンも若い頃は髪も多かったが、歳を重ねるごとに薄くなり引退間際はかなり薄かった、それでも格好良かったけれど。
女は男の髪が薄いのを不格好だと思う人が多いらしい、ゲイではどうだろう、若い人にすれば同じように不格好だと思うものなのだろうか、だが、私は違うし、私と同じように髪が薄いのを魅力の一部だと捉える人は他にもいる、例ではあるが実際に某ゲイアプリで各々のプロフィールを読んでいると「ハゲ好き」と書いている人はそれなりにいるのだ。
中には「M字の人が好き」と細かく書いている人だっている。
んん、ライバルか、まあ、私はM字でもO字でも好きなのだけれど。
今日見掛けた中年のパン職人がタバコをふかす姿の渋いこと、薄い髪の魅力と相まった男臭さにはドキッとさせられた。
あの人が捏ねて焼くパンを食べてみたくなった、明日か、明後日か、きっと買いに行くと思う。