2017年11月11日土曜日

そんな擦り傷の新常識

2日続けて姉のところへ行った、仕事場で多めに仕入れた大根のお裾分けである、そんなことをしなくとも近所のスーパーでいくらでも売っているし特別高いわけでもない、それでも格安で仕入れた大根はあれこれ使いみちがあって便利だろうから持って行ったのだ。

ちなみにパートさんらは1人あたり5本ほどを持ち帰っていたようだ、大根でぎっしりのビニール袋を提げてバスで帰るというのもそれなりに疲れはするかもしれぬが、晩メシはそれを使って何か旨いものでも食ってもらえればと思う。

姉は昆布と炒めてから味付けをするのが好きである、それかふろふき大根だ、寒い時期は特に旨い。

姉は縁側にいた、左の肘を曲げて外側に突き出し、右手に持った細長い缶からそこへスプレーしていた、左の肘には擦り傷があり、スプレーしていたのは粉末状の傷薬だった、うまく傷口にスプレーできなかったようでもう一度スプレーしていた。

近くでみると黄色みのある粉末が傷口付近を薄く覆っていた。

いや、それは使わないほうがいいのだ、なので左肘を洗わせて絆創膏で傷口を塞ぐだけにした。

確かに昔は擦り傷などは洗った後で念入りに乾かし、そして消毒薬をつけて絆創膏なりガーゼなりで塞ぐというのが常識だったのだが、今は逆に洗った後はカラカラまでには乾燥させず、消毒薬も特に使わぬまま絆創膏や新タイプの傷口パッドで覆うのが新常識となっている。

まず流水できれいに洗い流す点は変わらないが「カラカラ」に対しては「しっとり」、「消毒薬」に対しては「何も使わず」というのは大きな変化といえる。

昔の常識のままの傷口対策だと逆に治りを遅らせる場合があることが分かっている、極端な乾燥や消毒薬は傷口を治そうと再生されるはずの細胞までにもダメージを与えてしまうからである、その中でも姉が使っていた粉末タイプのものは時間が経つと洗い落としにくくなるという欠点がある、そうなるとかえって不潔になりやすく化膿の恐れもでてくるのだ。

何かに擦りつけたような肘の擦り傷の新常識、ちょっとしたことなのだが知っておいて損はないと思う、姉も子供の頃からそうしていたようにまずは傷口を乾かすべきだと思っていたようだ、私も傷口はじゅくじゅくではなく乾かしたほうが細菌の繁殖も抑えられて良さそう・・・な感じがするという点は大いに納得できるのだけれど。

ところで、そんな擦り傷どこでつけたのだと訊けば滅多に手を入れぬ場所から大掃除を始めていた時だと言うではないか。

もう大掃除か! 随分早過ぎるのではないか、そんなもの来月に入ってからにしろと言うと「ああ、大掃除で片付けておかねば」と気付いたところが気になって仕方ないからと笑っていた。

ふむ、なかなかせっかちな姉である。