気温は低く湿度が高かった今朝は薄靄で遠くの街灯がぼんやりとしていた、前日の夜に降った雨のせいで足元は濡れたまま、風は全くと言ってよいほど無い、湿度も高いわけだ。
そんな薄靄の中を飛び回る虫がいた、虫はそのへんの壁に止まり、そしてまた飛び立った、特に明るい場所を目指すわけでもなく同じような範囲を行ったり来たりしている、こんな寒い明け方を飛んでいた虫はフユシャクという蛾だ、この虫がこのブログに登場するのは2度目となる(2016年1月17日のブログ)。
今朝のフユシャクは壁に止まった時の羽の様子と時期からしてウスバフユシャクに間違いない、そしてオスである。
いつだったかネットで見た話を思い出した、身内が亡くなった真冬のある夜の窓ガラスの外側に蛾が止まっているのを見て、亡くなった親しき人は別の生き物の姿を借りて一度だけお別れにやって来るという都市伝説から亡き人が戻ってきたのだと信じている人がいた、雪だって舞いそうな寒い夜だというのに蛾がいるのは不可思議であり、それは亡くなった身内なのだろうと言うのだ。
亡くなった人が別の生き物の姿を借りるという話はどこかで聞いたことはあるが、その人の場合は蛾がそうだったのだろう、真冬の蛾なのでそれもフユシャクだ。
それにしても今朝のフユシャクは時期的に少しだけ早いような気がする、フライングでの登場か、フユシャク=12月に入ってからというイメージだったのでせっかちな個体だったのだろう。
山間部や緑多めな郊外だけでなく、こうやって公園の木々を幼虫の住処として都市部でも夜更けからの人々が寝静まるころに飛んでいる、その姿を目にするのは暗いうちに仕事に向かう私のような人たちだろう。
さて、この冬は何度目にすることか、その数と種類がどれくらいかを今のうちから考えている。