久しぶりにJR箱崎駅の裏へと散歩をした、元レンタルビデオ店だった場所にはコンビニが営業していてそこでUターンをして戻って来た。
その途中にある洋菓子店は「Chez Quano(シェ・クアノ)」、訳せば「クアノさんのとこ(家)」とでもなるのだろうか。
私は和菓子洋菓子を問わず甘いものが好きで度々あちこちの店で買い求めてはいるがJR箱崎駅近くのその店では数えるほどしかない、世に言う旨い店はたくさんあり、順に立ち寄ったとしてもその同じ店に再び順番が巡ってくるまでにはかなりのスパンが必要となるからである。
私がシェ・クアノの洋菓子と出会ったのは2004年の9月のことだ、9月の11日だということまで覚えている、その数日前に作家の水上勉氏が亡くなったのでよく覚えているのだ、場所は今日の店ではなく天神の大丸地階にテナントとして入っていた店だ。
初シェ・クアノはシュークリームといちごタルト、やや小ぶりなシュークリームの濃厚なバニラの香りと上品な甘さはコーヒーよりも紅茶か渋めの緑茶がマッチした、当時付き合っていた男に食わせたらシュークリームよりもいちごタルトのほうが好みだったようで私のぶんまで食ってしまった。
そいつにとってはシェ・クアノ=いちごタルトで、私にとってのシェ・クアノ=シュークリームだったのだ、他にも違うケーキや焼き菓子などもたくさんあったというのに。
そんなシェ・クアノも閉店か、当時のパティシエも35年を経てお休みするということか、この間いろいろなことがあっただろう、どんな人なのか顔も知らぬが閉店後はゆっくり過ごしてくれればいいなと思う。
35年ということは私が18歳の時から営業していたのか、私が18歳というと・・・ティーン好きな優しい中年男と付き合っていた頃か、ああ、懐かしい。
「十年一昔」という言葉の通り10年も経てば昔の出来事のように思える諸々も、35年も経てば本当に大昔のことになってしまう、このブログを見ている人の中には35年前にはこの世に存在していなかったという人だってそれなりにいるだろう。
そう考えるとかなりの年月だと改めて実感する、皆さんにとっての35年とは何だろう、振り返っての35年か、現時点での35年か、展望の35年か。
さて、シェ・クアノ閉店後のスペースにはどういった業種の店が入ってくるのだろう、楽しみである。