2017年11月23日木曜日
富士柿とマレー人
「これはトマトですか?」と若い外国人が果物売り場で高齢の男性に訊いていた、隣には同じ頃の女性がいる、2人は夫婦なのだと思う。
「いいえ、これはカキ(柿)、フジガキ(富士柿)、果物です、フルーツね」と男性が言うと外国人は納得したようだったが、男性がさらに近くにある富有柿を指差して「これの仲間ね」という一言で少し驚いたような顔で頷いたので完全に理解したのだと思う。
「日本語が上手だね、どこの国から来たの?」と男性は優しい、外国人は自分はマレー人で日本語を習っていると言っていた。
富士柿が「柿」という分類に於いて富有柿の仲間であると理解したということは富有柿を知っているからであろう、日本語でこれは何かと質問し回答を理解できるくらいなので日本語の習得度はそれなりに備わっているのだと思う。
だが富士柿は一見するとトマトに見えなくもない、そのマレー人にとっては初めて見る柿だったのだ、いや、日本人でも富士柿を見たことがないという人はいると思う、なぜなら2個入りパックを手にとって不思議そうに眺めている人をこの目で見たことがあるからだ。
かくいう私も知ってはいるが食したことは過去に数えるほどしかない、富有柿の一大産地である福岡には和歌山県からの渋抜きをした刀根早生柿がまず出回り、ほどなく富有柿に埋め尽くされるので富士柿にお目にかかる機会は少ないのだ。
数えるほどしか食したことがないと書いたが、今日は男性とマレー人のやりとりに触発されたのと、「本日限り200円」という札に負けて1パック買った、大きくてズシリと重い、2個入りで200円は手頃である。
晩メシの後で1個を食ってみたが実が柔らかくて種がない、甘みはほどほどで後味として残らずあっさりとしたものだった、先に書いた刀根早生柿と同じく元は渋柿で、渋を抜いた後で出荷される柿である。
ああ、旨い、私は果物の中でもスイカ、みかん、そして柿が大好きで季節になるとかなりの量を食べる、柿も既に50個は食っているだろう。
病院での健康診断時に食生活について質問され、「甘いものは?」という質問に「果物をたくさん」と答えると「果物は果糖が多いのでほどほどに気をつけてくださいね」と言われた、まあ、確かにそうだろう、私の場合は酒は飲まないが果物の食い過ぎに注意ということだ。
だが、これが難しい、どれもこれも旨いのだ。
柿のシーズンも後半か、そう思うと寂しいが入れ替わりでみかんが主役となる、食い過ぎに注意せねばと思う。