2017年6月6日火曜日

古すぎて忘れていたそんな話

「ねえ、明日の朝6時に何か起こるかね?」・・・、スマホに届いていたメッセージである、私がそれに気付いたのは日付も変わった今朝だった、もちろん普段通りの朝となんら変わりなく、ただただ午前6時は過ぎて行った。

私はそのメッセージが何のことなのか一瞬分からなかったのだが、少し考えてみると13日の金曜日と同じように言い伝えや縁起を担ぐ人には気になる数字で、映画「オーメン」で広く知られるようになった6月6日6時の「666」なのだ。

はは、友人は気になっている人なのだろう。

私は映画の中で登場した「666」を知っているくらいで、詳しい背景などは一切知らない、もちろん信じてもいない、そもそもそんなものを気にしていたら偶然に6月6日の午前6時に生まれてきた赤ちゃんなどはさぞ迷惑なことだろうと思う。

私は宗教と縁が薄いので特にそういったことは気にしないほうだが、日本においても古くから「『4』は死を連想させるので縁起が悪い」などという理由でアパートなどの号数に「4号室」を飛ばして「5号室」とするところもあったりする、まあ、これは借り主への配慮というよりは貸し主側の「うちの物件で事件や事故が起こりませんように」という無事を願う気持ちの表れなのだと思うが。

その「666」にしろ、先にも書いた「13日の金曜日」にしろ、気にする人はどれくらいいるのだろう、満月の夜が不安だと言う人はいるし、室内で傘を開くのは縁起が悪いという人もいる。

「金曜日の夜に洗濯をするのは不吉だ」という言い伝えの由来は何だろうと発祥を辿って行くと怖い民話に辿り着いたことがある、フランスの民話で「金曜日の洗濯女」だ。

夜更けに川岸で洗濯をしている女がいたので不審に思い近寄ってみると、岩に打ち付けながら洗っていたのは白い布ではなく死んだ赤ちゃんだったというとんでもない話、その話自体が唐突でよく分からないものだったがゾッとした、私が中学生の時のことである。

そんなことはお構いなしに私は金曜日だろうがなんだろうが汚れものが溜まると洗濯をする、打ち付ける岩などないし夜更けでもない、もちろん邪悪な何かに祟られたこともない、思うにこれにしろ「666」にしろ以前も書いた幽霊誕生と同じことなのだと思う(2010年6月10日のブログ)。

気にする人の頭の中にボウっと湧き出た不吉で怖くて邪悪な何かが徘徊し、ひとしきり怖がらせたら無意識の空間に身を潜め再び登場する機会を伺うのだ。

いずれにせよ今日が何月何日であろとそれに関わらずどこかで赤ちゃんが産まれて、どこかで誰かが死んで行く、今日がそうであったように明日も、明後日も、いつも通りに日は巡るのである。