NHKの番組の合間に既に試験放送も始まっている8Kスーパーハイビジョンが紹介されている、締めの言葉は「体感してください」、その美しい映像を各地のイベントなどで見てくださいというものだ。
フルハイビジョンでも綺麗なのに、その上の4Kスーパーハイビジョンが登場し、そして更に上の8Kスーパーハイビジョンがそれに続こうとしている、凄いなと思う反面その性能を活かせるのだろうかという疑問は残る。
その美麗な映像を楽しみたい番組とは何ぞや、最も8Kを活かせるのは花鳥風月とリアルなドキュメンタリーだろうが、放送側でどれだけ準備可能なのだろう、テレビで目にするものは他にニュースやバラエティーもあるので番組の量を心配する必要はないのかもしれないが、わざわざ8Kで仲間内の飲み会現場のような番組やゴシップネタで騒ぐばかりの番組などでは価値が薄い。
8Kの普及は2020年の東京オリンピックに照準を合わせているのはNHK自身がそう言っている、8Kテレビやレコーダーの価格など一般人には興味を持った上で超えねばならぬハードルがある、どうなることやら。
それにしてもデコーダーが数個のLSIなどではなく小型冷蔵庫ほどの大きさもあり、1台400万円もするソニー製のブラウン管ハイビジョンテレビの一般公開を目にした時からざっと30年にはなろうか、私が最初にそれを見たのは暗幕で仕切られたスペースでの「次世代のテレビ、ハイビジョン!」というNHKのイベントでのことだった。
その時の映像は柿田川、まさに水が滴るような映像に驚いたのだった、但しそれはベースバンドハイビジョンで、実際の放送はあの手この手で情報を圧縮したアナログ放送でのMUSE方式だった、静止画はベースバンド並みに美しかったが動画領域はボヤケるというもので、「MUSEの溜息」と揶揄された。
時代は変わって今やフルデジタル、高効率なコーデックのお陰で8Kでさえ可能となった、隔世の感を禁じ得ない、技術の進歩に溜息が出る、もちろん良い意味で。
思うところはいろいろあるが、まずは映像と臨場感たっぷりだという音も体験してみたい、福岡でのイベントはあるのだろうか、いや、NHK福岡放送局には常設しているのだろう。
おっと、体験してみたいではなく、「体感してみたい」か。
仮に8Kでエロな動画でもあったらどうだろう、んん、今までは気にならなかった粗も克明に映し出すのでこれは良し悪しか。
まあ、好みの男なら傷があろうがシワがあろうが気にならないのだけれど。