ここ最近のうちでは若干早めの仕事上がりとなった日暮れ時はクリスマスイブで賑わう街の人混みに紛れて天神で買い物をした、ケーキではない、自宅用のスパイス(クミン)とベーグルが欲しかったのだ。
大きめのベーグルの袋に小さなクミンの缶を入れて地下街へと合流、そこから階段を上って明治通り出てみると西の空にほんのりと明るさが残っていたので歩いて帰ろう・・・かとは思ったが腹も減ったし早く帰って晩メシにしようと地下鉄天神駅目指して再び地下街へ下りた。
階段では見覚えのある太った男が私の先を下っていた、真正面から見ずとも飲み屋などでよく隣り合わせに座っていた人なので斜め後ろからでもすぐに分かった、私より10歳は若いであろう年下君だった。
年下君は真っ黒に焼けていた、若造りな六十路の男(2015年6月10日のブログ)によく海に誘われていたのを覚えている、夏と海が好きなので浜辺で思い切り焼いたのではないだろうか、この時期になっても焼けた色が褪せないのはかなり念入りに焼き込んだからだと思う。
声を掛けようとしたところで首の後ろと目尻のシワに目が行った、私よりずっと若いとは思えぬシワの多さだ、特に首の後ろはクッキリと深い、間違いなく光老化だ、もう元には戻らない。
名前を呼ぶと驚いたように振り返ったがすぐに笑顔になった、すぐ近くにスタバがあるので誘って30分ほど話をしただろうか、訊けばやはり六十路の男に誘われて今年は7~8回は泳ぎに行ったと言う。
「来年は泳ぎに行くにも紫外線対策をせねば」と言うと「今年もしっかりしておけばよかった」と本人からそう言った、いきなりシワが深くなり目立つようになったことが気になっているのだろう、この夏で一気に老けたらしい。
今は効果があるらしいクリームでケアをしているとは言うが・・・先にも書いた通りもう元へは戻らない、その光老化は不可逆なのだ。
来年は六十路の男が誘う前に私が誘い、紫外線が弱くなり始める午後3時からの海でもたっぷり遊べることを体験させてみようと思う。
「なんと言って誘ってきたのだ」と六十路の男の誘い文句を訊いたところ「男は日焼けぐらいしなくては」と言われたとか、色が黒いほうが魅力的だという理屈、ほら、私が飲み屋で耳にした言葉とほぼ同じだ。
時代錯誤もいいところだ、日焼けに男らしさの価値など無い、紫外線による肌の黒化は体の防御反応そのもの、紫外線が害であることを体はよく知っている、色がどうだという段階の話ではない。
年下君の日焼け肌はいずれ痒みや乾燥などトラブルの多い肌になるかもしれない、肌は肌色のままが良いように、驚きの若さなどではないにしろ年なりの若さは保っていたいところである。