午後に届いたメールは一瞬誰だか分からなかったほど久しぶりの人からのもの、最後にやりとりしたのはいったい何年前のことだか。
ご無沙汰してますという書き出しで、元気にしてますかという一言のみ、久しぶりすぎて驚いたと返信すると私が夢に出てきたのだと言う、夢の中では居酒屋で一緒に飲んでいて、「今までで一番良かった時は何歳の時か?」と私に訊くと「32歳」だと答えたらしい。
不思議なことに、私は今までその人とそういった話はしたことがないのだが、確かに私にとって一番良かった時は歳で言うなら30代前半なのだ。
その32歳という点に驚いたので、どういった話の流れでそういう話になったのかと訊けばはっきりと覚えていないそうだ、残念、とにかく、私は32歳と言ったらしい。
数年ぶりに夢で見て、もしかしたら病床に臥せっているのではと思ってメールを送ってみたらしい、なるほど、大丈夫、私は元気にやっている。
いろいろと思い返すと30代前半、夢の中で言ったという32歳当時はサラリーマンを辞め今の仕事を始めてやっと軌道に乗った頃で、今よりはずっと体力も充実して疲れ知らずだったし、母や姉(長女)もまだ元気で、もうひとりの姉(次女)もろくでもない旦那と別れて新生活を始めた頃だった、生きる上での不安な要素は極端に少なかったと記憶している。
そうか、20年前か。
夢の中の居酒屋では何を食っていたのだろう、私以外に誰か夢に出てきたのだろうか、そのあたりは分からない。
夢で見た内容はピンポイントで良く覚えていることもあるが、現実世界の体験よりもずっと早く忘れてしまうような気がする、久しぶりのメールの人が、いつか似たような夢を見た時に、また話してくれればと思っている。