今夜は人数多めの飲み会だった、直接の友人は5人だが、そのうち2人が知り合いを連れて来ていたので「友人の友人」ということになる、私も含めて11人、小上がりの一角に陣取って静かに大人の飲み会で1時間半ほどを過ごした。
テーブル2つに分かれて飲んでいて、隣のテーブルではテニスの話で盛り上がっていたようだが、こちらのテーブルでは天神地区の再開発計画で建て替えとなるビルの話で盛り上がった。
皆が一様に最初に口にするのが「福ビル」（福岡ビル）なのは何故だろう、個々に思い入れのあるビルなのか、それとも渡辺通りと明治通りが交差する位置にあって目立つからだろうか。
私もまずは福ビルが頭に浮かんだ、先に書いた理由の後者も大きいが、前者の思い入れという点が特に強い、小学生の頃からここでレコードを買い、映画の前売り券やコンサートのチケットを買い、母や姉と一緒に菓子を買いによく立ち寄り、友人との待ち合わせの多くは明治通り側の出入り口にズラリと並んでいた公衆電話付近だった。
初めて付き合った優しい中年男は隣の天神コアビル6階の紀伊國屋書店へ行く時に混雑した場所を通らずに済む福ビル内を経由した通り道を教えてくれたし、地階のレストランでは何度も一緒にメシを食った。
暑い時は涼みに入り、凍える日は暖まりに入った、1階の文具店では友人や姉、姪っ子への誕生日プレゼントを買い、自分用のパンをよく買う店もこのビルに入っている。
同じくらい古いビルとしては交差点の斜向かいにある「天神ビル」があるのだが、私はそちらにはあまり縁がない、仕事の帰りに地階のドラッグストアで少し買い物をするくらいだろうか。
福ビルも天神ビルも既に50年以上は経つ古いビル、私が生まれる前にできたビルなのだ、そう思うと一層古さを感じる、ああ、お前もつい「よいしょ」と口にするような歳なのだと思ってしまうのだ、綺麗に手入れはされているけれど、細かい部分を見てみるとやはり傷みはあるもので、逆にそれが味わいとなっているのも事実だが、ビルには耐用年数があるので寿命も近いのだという現実の寂しさもある。
このブログを見ている人でそれらのビルを知る人は少ないと思う、あまりにローカルな話題なので他所に住んでいる人にはさっぱり分からない話だろう。
それでも、もし福岡の街に詳しくて、それらのビルに立ち寄る機会があるのなら、近々姿を消すはずなので床も壁も見回して歩いてみるのも良いかもしれない。
私もデジカメ持参で散歩も兼ねて、そのうち何枚か撮って残しておこうと思う。
