2016年6月14日火曜日

メバルの鰭はチクリと痛い

仕事帰りにデパート地階の食料品売り場に寄った、特に買うべきものがあるわけではなかったが、いつもとはちょっと違うコースを通って帰ってみようかという好奇心から。

普段利用するディスカウントストアの食料品売り場とは随分な違いが面白かった、ごく少量ずつきれいにパックされた野菜などがまるで工業製品のように整然と並べられていて大きな賞味期限の表示や産地と生産者の名前まで明記されていた、価格はかなり高いが一人暮らしの人などには便利かもしれない。

大人数用で使うにはかなりの金額になってしまいそうで怖いが。

魚売り場も通ってみた、パック物の切り身も多いが丸ごと一尾というのも並んでいた、そこには今が旬のメバル、思い出の魚である。

私が生まれて始めて自炊で魚を調理したのがイワシやサバではなくこのメバル、どれにしようかと目で探して適当に決めたのがこの魚だったのだ。

買ったはいいのだが調理の仕方もろくに分からず、とりあえずは包丁の背で鱗を落として腹から内蔵を取り出して醤油と砂糖と酒で煮付けにした。

包丁さばきがいい加減なので魚もボロボロだったが味は思ったよりも美味しくて感激したものだ、強く記憶に残っているのが鰭の先端にある刺、背鰭のそれで指をチクリと刺してしまったのだ、小さな点のように滲む血を見ながら次回からは先にその部分を切り落としてしまおうと思ったものだった。

まあ、当時のそれを今食べればきちんと処理していないせいでヌメリや生臭さを感じて及第点も出ないレベルだと思う、今がまさに旬で梅雨が明ける頃になると急に見掛けなくなる美味な白身魚である。

最初は煮付け、次は唐揚げ、その次はまた煮付け、鰭の刺は用心するが私はメバルが大好きだ・・・昔ほど安くなくなったのは残念だが。

まあ、それでも大漁の時などは一尾で500円ほどのものが出まわることもある。

「メバルなんてまだ食べたことないよ」という人がいれば自宅での調理は面倒かもしれないので、外食時のお品書きの中に見つけたら試してみるといい、身は淡白でクセがなく、煮ても焼いてもギシギシと固くならず大変美味しい魚なのだ。

ちなみに今日のメバルは長崎からのものだった、もちろん福岡のものもある、ほぼ日本全国の沿岸部で獲れる魚で、若干高いがお薦めの旬の魚である。